赤い帽子の小鳥さん
ウチの隣にある空き地で夏のあいだ月見草が咲いていました。境界際の草を刈ったとき、気をつけて残
しておきました。一昨年ツグミが来て雪の上で種をついばんでいたのを覚えていたからです。去年1月末
に退院してからずっと、また来るのではと注意していましたが、とうとう春になっても姿を見ませんでし
た。今年も期待してたびたび内窓を開け覗いていました。ようやく先日2,3羽の小鳥が現れました。ガ
ラスを開けても月見草の種をつつくのに忙しく、逃げる気配がありません。望遠をセットして心ゆくま
で撮影できました。ツグミではないようです。一回り小さく頭にベレー帽のような赤い色があります。
村山由佳の小説『ダブルファンタジー』(文藝春秋社)を読みました。心と体が絡み合う女の人の感情に
ついて、少し詳しく教えてもらったような。わたしは22歳で20歳の妻と結婚しました。文字では知っ
ているつもりでも、実質的には『ダフニスとクローエ』に近い状態でした。そこから進歩したという実感
のないまま、45歳の妻に逝かれています。二人とも他の異性との深い交際はありません。この小説を読
んだ後で、わたしは妻の人生の可能性をいくつも奪ってしまった、という悔いが強くなっています。やり
なおして、あけっぴろげに話し合い、彼女の文学的才能をだいじにしてやれたらどんなにいいか!
しておきました。一昨年ツグミが来て雪の上で種をついばんでいたのを覚えていたからです。去年1月末
に退院してからずっと、また来るのではと注意していましたが、とうとう春になっても姿を見ませんでし
た。今年も期待してたびたび内窓を開け覗いていました。ようやく先日2,3羽の小鳥が現れました。ガ
ラスを開けても月見草の種をつつくのに忙しく、逃げる気配がありません。望遠をセットして心ゆくま
で撮影できました。ツグミではないようです。一回り小さく頭にベレー帽のような赤い色があります。
村山由佳の小説『ダブルファンタジー』(文藝春秋社)を読みました。心と体が絡み合う女の人の感情に
ついて、少し詳しく教えてもらったような。わたしは22歳で20歳の妻と結婚しました。文字では知っ
ているつもりでも、実質的には『ダフニスとクローエ』に近い状態でした。そこから進歩したという実感
のないまま、45歳の妻に逝かれています。二人とも他の異性との深い交際はありません。この小説を読
んだ後で、わたしは妻の人生の可能性をいくつも奪ってしまった、という悔いが強くなっています。やり
なおして、あけっぴろげに話し合い、彼女の文学的才能をだいじにしてやれたらどんなにいいか!