アスパラに水玉

　ある朝窓際のソファーに座り、パイプに火をつけてからふと庭を見ると、緑の煙のように茂ったアスパ

ラガスの細かい葉に、夜の間に降った雨粒が水玉になって宿り、昇って間もない陽の光を受けて輝いてい

ました。今朝の最低気温は１０度を割っています。庭の花や野菜のなかには突然の寒さに驚いたらしく、

しおれているものが目立ちました。日中は２７度程度になり、扇風機を回す時間もあるとはいえ、今朝の

気温は駆け足で近づく晩秋を予告しています。食用になる芽を放置すると、アスパラは背の高さほどにま

で伸びて、細かな葉がけぶるように広がります。わたしの視覚を喜ばせるこの鮮やかな緑も、間もなく終

りの季節を迎えます。