温水ため池

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 先日前の家の人と立ち話をしていて、歩いたら面白そうな町内の場所を教えてくれた人がいて、と言っ

たら、「どこですか」と、ウチに上がって送られてきた地図を見てくれました。彼はすぐにわかり、家か

らの道順を説明してくれました。田んぼに水を供給するために作られた施設だけれども、いまは減反で使

われていない、秋に水を落とすと湿地にさまざまな動植物が見られるのだ、とか。ここから近いと聞い

て、翌朝さっそく出かけました。

 読むもの見るものに不足はないので、横になっていても退屈はしません。でも食っては寝て寝ては食い

の毎日が続いていますから、今度の血液検査でγーGTPやヘモグロビンA1Cの数字を見るのが怖いなー

と思っていたところです。それに、図書館と買い物に行く以外ほとんど家に閉じこもっていると、気持ち

が腐ってきます。それで、とりあえず見てみるだけと、腰を上げました。

 温水ため池の上端で、土手に上がって眺めました。確かに人工物とは思えない景観です。ため池を囲む

森が、入って来いよと誘いかけるようです。歩きたい気持ちがつのります。でも、取り付いた体外の異物

のように、痛みと痺れで苛む右腕をぶら下げて歩くことを思うと、おじけづいて。きっとまた来ようと自

分をなだめながら、水のある風景と林の端の青い花を撮って引き上げました。

 役場のTさん、ご親切にこの場所を紹介してくれてありがとうございます。元気になったらじっくり楽

しませていただきます。