タマネギ収穫
さっちゃん、コメントありがとうございます。家事に仕事に、がんばっていらっしゃるようですね。隠
居の身が後ろめたくなりそう。
このあたりはタマネギの大産地。コンテナに集めて出荷する前に畑に広げて乾かすのでしょうか。駅舎
の一画にある物産館で、でっかいのが一個30円、中玉をぎっしり詰め込んだ見るからに重そうなネット
ひとつが200円でした。この値段では、誰もいない畑から何個か拾っていこうか、なんて気にもなりま
せん。
ご近所の家に届けてもまだあまったミニトマとで、トマトソースを作りました。今朝はこれでスパゲテ
ィーをあえて朝食です。庭で摘んだピーマンとゆでておいたアスパラを具にしてね。
NHKのBS2で水曜日23時台に『奥さまは首相』という番組が放送されています。『奥さまは魔
女』みたいなホームドラマの変種かと思い、特に期待もせずとりあえず録っておきました。2週目まで見
たところですが、これがどうしてメチャおもしろくて。普通の民衆の一人であるスーパー店長の女性が、
プロ政治家たちのあきれた言動に思わず啖呵を切ってしまった結果、政治不信に陥っていた国民多数の支
持が集まって、いきなり首相の地位に就いてしまいます。大人の童話の一種ですね。でも、とてもまじめ
な問題提起が含まれています。
欧米の多くの先進国や日本が「国民主権国家」だと言っても、実態は「金持ち・集金力のあるプロ政治
家・エリート官僚主権国家」で、一般国民は具体的な政策決定に参加できません。決定に影響力を行使す
るには、大きな資産またはある程度の社会的地位や名声をもつことが最低条件です。「民意」は「有資格
者」が権力争奪戦を展開する大義名分として利用すべき背景です。民衆は票を狩り出す対象という客体で
あって、決定に参加する主体ではありません。
番組は素人である民衆に政治を委ねようとする女性が主人公です。素人の大衆が決定する主体になった
らどうなるか、そんな思考実験を、ユーモアたっぷりのドラマに仕立てるのだからニクイ。首都をロンド
ンから寂れた田舎に移転するなどという案はとてもおもしろい。日本ならさしずめ、青森にある核廃棄物
処理場近くへの移転でしょうか。皇居も一緒に。そうなったら「えらい人たち」の身の安全のため、本気
で原子力政策を再構築せざるを得ないでしょうね。
リバー旅行記・馬の国』のスウィフトを産んだ国です。日本や韓国は、小手先の表現力は豊かでも、こん
な発想はなかなか出てきません。もし作品化されても発表の場がありますかねー。
それにしてもこのドラマといい、『経営の未来』といい、一般人に権力・権限をという主張が、わたし
だけの夢想ではない時代が始まっているのかな。まあとどのつまりは、次のような問いとなってわたした
ち自身に返ってくるのでしょうけど。「あなたは、マスメディアや習慣・制度が作るえらい人たちのイメ
ージより、気持ちが通じる隣人の方をより多く信じられるか。そして、いろいろあっても究極的には信頼
すべき身近な人と、利用する思惑があって近づく人を峻別する自分の判断力を信じられるか」という問い
です。