濤沸湖に青鷺が舞う

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 濤沸湖はラムサール条約に登録されている野鳥集う湿地のひとつです。冬には白鳥や鴨などの渡り鳥が

湖の一画を埋め、パック・ツアーの目玉になります。夏の主役は青鷺でしょうか。先月末わたしが湖畔で

目にしたのは、この鳥だけでした。はるか先の国道を次々通り過ぎる車が小さく見えています。写真を撮

ったあたりは、通る車も少なく、立ち止まる人影はありません。濤沸湖は、能取湖サロマ湖とちがっ

て、国道の通る海岸でオホーツク海から完全に隔てられ、海に開口していません。そのためでしょうか、

湖水に浮かぶ漁船はなく、カモメやトンビも見ませんでした。一人たたずんでいると静寂に包まれ、自分

が風景に溶け込むような気持ちになります。


 「科学」6月号のメタボ特集で井村裕夫が、こんな意味のことを書いていました。発達プログラミング

仮説によると、哺乳動物は胎生期から乳仔期に母親の栄養状態によってプログラミングされる。貧しい栄

養状態でプログラミングされた人が、生まれた後に豊かな環境におかれると、ミスマッチが起きてメタボ

になる。実際ある疫学的研究で、出生時に低体重であった人に、メタボ、糖尿病、心筋梗塞が多いと報告

されている、というのです。

 わたしたちの年代では、貧しい農村や食料の乏しい戦時下の都会で低栄養の母親に育まれ、経済成長と

ともに豊かな食べ物を摂るようになった人が多いと思います。村井さんの説が正しいとすれば、高齢者に

メタボが多いのは当然だということになります。個人の間違った生活スタイルの結果としてより、歴史的

社会的現象なのだと、考えたほうがいいみたい。これは突き出たお腹をなでながら書きました。