き、検索の労を省けてたすかりました。野草の図鑑はいくつか見つけてありましたが、シダは初めてでし
たので。
恩根内のビジターセンターは折悪しく火曜日が休館日で中に入れませんでした。そこから駐車場に戻る
道際の森に巨大なフキ群落が広がっていました。道道53号線で釧路市展望台を過ぎてすぐのパーキング
から、湿原を遠望できます。その先の道標に従って北斗遺跡に立ち寄りました。遺跡展示館の裏から700
mの木道を登ると、200を超す竪穴住居跡が点在し、そのうち5個が復元されている湿原の一画に出ま
す。木道脇にはたくさんのエンレイソウが咲いていて、なかには花びらが薄く色づいているものもありま
した。展示館でもらったパンフによると、恩根内から北斗遺跡まで遊歩道をたどることができるようで
す。3時間ほどの時間をとり、市展望台から恩根内のセンターへ行きそこで木道を回ってから、北斗遺
跡を訪ねて展望台に戻るコースも楽しそうです。次の機会に試してみましょう。
湿原周辺の遺跡をプロットしてある地図を見ると、石器時代から擦文文化時代まで、百単位の遺跡があ
るようです。わたしはこれまで、入植者が開拓を始めるまでの北海道には、原始の森が広がる中にごく少
数のアイヌ集落が点在するだけというような、漠然としたイメージを持っていました。本州に統一国家が
成立して以来の中央史観に毒されていたようです。いくつかストーン・サークルが残っていることは知っ
ていましたが、小規模で孤立していたもののように考えていました。
だんだんわかってきたのですが、オホーツク海沿岸から本州北部にかけて、石器時代からアイヌ時代ま
で、本州とも大陸北方文化圏とも活発に交流する独自の文化が、繰り返し栄えてきたのですね。海岸や湖
周辺だけでなく、内陸にも多くの集落があったようです。さっきちょっと美幌町内の遺跡を検索してみま
した。どこまでをひとつと数えるかでちがってきますが、少なくとも20を超える集落跡があるみたい。
北海道全域となったらどれだけあるのか、カウントしようと始めましたが、多すぎてあきらめました。