樹霜

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 これまであまり意識せず樹氷とか霧氷とか書いていました。他に樹霜、粗氷と言う言葉もあると知っ

て、美幌川のものはどれだろうと疑問になって、調べてみました。霧氷は空気中の水分が樹木などに氷着

したものの総称で、樹氷、樹霜、粗氷に下位分類されているようです。ウィキペディアによると、樹氷

粗氷は霧となった過冷却水が凍結したもので、-5度以下で凍結すると樹氷で、より温かい場合が粗氷と

のこと。樹氷のほうが結晶が小さいとされています。樹霜は水蒸気が昇華したものだそうです。手持ちの

広辞苑には粗氷という言葉はありませんでした。

 過冷却水は零下でも凍結せず液体のままのH2Oです。何かで読んだのですが、一般に水は零度で凍結

するとされていますが、静かでその周りから凍結がはじまる異物がない場合、液体のまま留まるのだそう

です。過冷却水は、衝撃があったり、塵や髪の毛のような小さなものでも異物に接したりすると、一瞬に

して凍結するとか。霧が白いのは空気を含む細かな水滴が見えているのだと思います。湯気と同じような

ものです。水蒸気は気体ですから見えません。沸騰しているやかんの湯気を観察すると、やかんの注ぎ口

と湯気の間に、完全に透明な箇所があります。水蒸気である間は見えず、少し冷えて細かい水滴になると

見えはじめます。

 さて、美幌川の枯れ木に咲く花はどれでしょうか。とりあえず霧氷と書いておけば間違いにはなりませ

んね。川からは霧が立ち昇っているのが見えますから、空気に水滴は含まれていますが、見えない水蒸気

もきっと多いと思います。ですから正確には、樹氷と樹霜の混合物ということでしょうか。とはいえ、文

字としてのニュアンスは気象学的定義と微妙にちがいます。樹氷は、蔵王が有名だからかもしれません

が、針葉樹に重くかぶさって日ごとに成長するイメージです。美幌川の場合、日が昇って温かくなる昼間

には消えるはかなさを思うと、文学的にも霧氷が合うような。でも、今日の写真のように、粗い結晶が見

えていると、霜という言葉を使いたくなります。