白鳥親仔 大きな歴史 3
黒いのは仔でしょう。もうずいぶん大きくなっています。それでもまだ親がしっかり付き添っているみ
たい。去年美幌川に来ていた家族の例では、春になり飛び立つころには親と見分けがつかない白い羽にな
っていました。
〔大きな歴史 3〕
今月のIPCC総会でこれまでの部会報告をもとにした統合報告書が承認されました。朝日新聞による
要約 (11・18) には、次のような文章が含まれています。
・GHG(温室効果ガス―引用者)の安定化は、現在ある技術や今後数十年のうちに商業化が期待される
技術を組み合わせて達成できる
・温暖化は、突然あるいは後戻りできない大規模な影響を引き起こす可能性がある
・北極、アフリカ、島国、アジアやアフリカの大規模デルタ地帯では、温暖化による影響を受ける可能
性が特に高い
また、10月のUNEP(国連環境計画)第4次報告によると(朝日新聞07・11・8)、〃从兩長追求の市
場型 経済発展に重点を置き環境向上を図る政策型 I挈義悄支配層の福利維持を目指す安定型 ご
境とみんなの福利向上に取り組む持続可能型の、4つのシナリオのうち、い世韻地球温暖化を抑える可
能性があるそうです。
宇宙や地球の未来ははるか先まで確定しているのに、ヒトの未来は100年後でさえ確かな予言ができ
ません。人が干渉できない物理法則で決まる事象と人の選択で変わる事象のちがいです。わたしたちがど
ういう社会を選択するかが未知数なのです。二つの報告を採択する会議には各国行政官も参加しています
から、専門家の原案ができるだけ穏やかな表現に修正されています。「突然あるいは後戻りできない」と
いう表現には、人の制御を離れて文明を崩壊させるかもしれない気候の暴走が含意されています。「地球
温暖化を抑える」というのは、抑えられなければ人類の危機、という予測を踏まえた表現です。
すでにこれまでに、毎年200万人以上が大気汚染で死期を早めていて、1万6千以上の生物種が絶滅
に瀕し、2025年には世界人口の3分の2が水不足で日常生活に支障をきたすと報告されています(U
NEP)。始まっている人為的温暖化による気象災害の激化や環境悪化の影響は、いまさらゼロにはでき
ない。それらには全世界が協力して緊急に対策を講じるべきだ。100年後の決定的な危機を回避するに
は、温暖化を抑制し環境水準を維持する科学技術の可能性を最大限実現できる社会・経済システムに、い
ますぐ転換しなければならない、ということです。でも人々は、協力もシステム転換も選ばないかもしれ
ません。そのときは、せいぜい現生生物種の一部を道連れにして、ヒト文明が消えるだけのこと。地球が
滅ぶわけでも、太陽系がなくなるわけでもありません。
19日の新聞にバングラディシュのサイクロン被害が報じられていました。270万人が被災したそう
です。IPCC部会が報告していた激甚温暖化被害の確率が高い南アジア・デルタ地帯です。国連は70
0万ドル(7億7600万円)の調達を表明し、アメリカはその30パーセント、EUは31パーセントの
提供を決定しています。この日の紙面に見られた日本の支援は、日赤の2000万円だけです。自衛隊を
国際災害救助隊に改組するわたしの構想が実っていたら、いまごろ救援物資を満載した自衛隊の輸送機や
艦船がぞくぞくと現地に向かっていたでしょうに。
どう転換すればいいのか、それを少しずつ考えてみるつもりです。
たい。去年美幌川に来ていた家族の例では、春になり飛び立つころには親と見分けがつかない白い羽にな
っていました。
〔大きな歴史 3〕
今月のIPCC総会でこれまでの部会報告をもとにした統合報告書が承認されました。朝日新聞による
要約 (11・18) には、次のような文章が含まれています。
・GHG(温室効果ガス―引用者)の安定化は、現在ある技術や今後数十年のうちに商業化が期待される
技術を組み合わせて達成できる
・温暖化は、突然あるいは後戻りできない大規模な影響を引き起こす可能性がある
・北極、アフリカ、島国、アジアやアフリカの大規模デルタ地帯では、温暖化による影響を受ける可能
性が特に高い
また、10月のUNEP(国連環境計画)第4次報告によると(朝日新聞07・11・8)、〃从兩長追求の市
場型 経済発展に重点を置き環境向上を図る政策型 I挈義悄支配層の福利維持を目指す安定型 ご
境とみんなの福利向上に取り組む持続可能型の、4つのシナリオのうち、い世韻地球温暖化を抑える可
能性があるそうです。
宇宙や地球の未来ははるか先まで確定しているのに、ヒトの未来は100年後でさえ確かな予言ができ
ません。人が干渉できない物理法則で決まる事象と人の選択で変わる事象のちがいです。わたしたちがど
ういう社会を選択するかが未知数なのです。二つの報告を採択する会議には各国行政官も参加しています
から、専門家の原案ができるだけ穏やかな表現に修正されています。「突然あるいは後戻りできない」と
いう表現には、人の制御を離れて文明を崩壊させるかもしれない気候の暴走が含意されています。「地球
温暖化を抑える」というのは、抑えられなければ人類の危機、という予測を踏まえた表現です。
すでにこれまでに、毎年200万人以上が大気汚染で死期を早めていて、1万6千以上の生物種が絶滅
に瀕し、2025年には世界人口の3分の2が水不足で日常生活に支障をきたすと報告されています(U
NEP)。始まっている人為的温暖化による気象災害の激化や環境悪化の影響は、いまさらゼロにはでき
ない。それらには全世界が協力して緊急に対策を講じるべきだ。100年後の決定的な危機を回避するに
は、温暖化を抑制し環境水準を維持する科学技術の可能性を最大限実現できる社会・経済システムに、い
ますぐ転換しなければならない、ということです。でも人々は、協力もシステム転換も選ばないかもしれ
ません。そのときは、せいぜい現生生物種の一部を道連れにして、ヒト文明が消えるだけのこと。地球が
滅ぶわけでも、太陽系がなくなるわけでもありません。
19日の新聞にバングラディシュのサイクロン被害が報じられていました。270万人が被災したそう
です。IPCC部会が報告していた激甚温暖化被害の確率が高い南アジア・デルタ地帯です。国連は70
0万ドル(7億7600万円)の調達を表明し、アメリカはその30パーセント、EUは31パーセントの
提供を決定しています。この日の紙面に見られた日本の支援は、日赤の2000万円だけです。自衛隊を
国際災害救助隊に改組するわたしの構想が実っていたら、いまごろ救援物資を満載した自衛隊の輸送機や
艦船がぞくぞくと現地に向かっていたでしょうに。
どう転換すればいいのか、それを少しずつ考えてみるつもりです。