渓流紅葉  『女ですもの』

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

 高原温泉から層雲峡に向かう糠平国道へ出る山道は渓流に平行しています。水際の紅葉を撮ろうとする

のですが、道が細くてなかなか車を停められません。ようやく行き交う車の迷惑にならない場所を見つけ

たときには、まだ色の薄い木が増えていました。


 いま、よしもとばなな内田春菊の対談・『女ですもの』(ポプラ社)を読み終わりました。一人は入籍

しないまま6年ほど一緒にくらしている相手との間に、男の子が一人います。もう一人は三度目の結婚

をした後、籍を抜いて事実婚になっています。こちらは前に生んだ一男一女と、今のパートナーともうけ

た一男一女の、4人の子どもの母親です。二人は、旧い家制度の意識が色濃く残る社会で、男に合わせて

自分がダメになるのを避ける生き方を選びました。作家と漫画家であり、その恨みやつらさを生でぶつけ

るのではなく、他人に伝わりやすい形で表現しています。表現は洗練されていますが、普通なら世間の反

感を恐れて言わないようなことも、隠さず口にしている印象です。

 亡き妻との関係を反省させられるところが多々あります。自分では男が妻を支配する意識からは免れて

いるつもりでしたが、無意識のうちに男に有利な世間の常識を利用していたと、思い当たります。「結

婚」という、女性には不利な日本の制度が、男を甘やかせます。無意識の部分は、この本のような具体的

な指摘がないと、なかなか気がつきませんね。それにしても、わたしに合わせようとして妻が犠牲にした

部分に、もっと敏感であるべきでした。

 この本だけのことではないのですが、女性の冷静かつ率直に表現されたホンネには興味を惹かれます。

男のわたしにとっては、女性は「永遠の神秘」というところがありますから。女の人は男に、「理解でき

ない」というところはあっても、「神秘」は感じないような気がしますが、どうなのでしょう。