湯けむり紅葉  『夜明けの縁を・・・・』

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

 高原温泉で稜線の黄葉を撮りながら宿の裏手に廻ると白い煙が見えてきました。ゴミでも焼いているの

かと思いながら近づいたら、強い硫化水素のにおいがします。自噴する温泉でした。屈斜路湖周辺、阿寒

湖周辺、大雪山一帯と、車で日帰りできる範囲に、脈動する地球を実感できる場所がたくさんあります。

この熱をエネルギーとして利用できないのでしょうか。もっとも、湯けむり越しに鮮やかな紅葉が見られ

なくなって、景観に不釣合いな人工物ができるのも残念ですが。


 昨夜、あるいは今朝というべきでしょうか、2時ごろ軽い地震があって目が覚めました。返却日が近い

図書館の本があったので、薄いハイボールを作って飲みながら、読みはじめました。6月に来てくれた人

が残していった柿の種をつまみながら。小川洋子の『夜明けの縁をさ迷う人々』(角川書店)です。妄想と

覚醒の中間を思わせる人々が次々に登場します。ウイスキーの軽い酔いもあって、夢の中にいるみたいに

幻想的な気分になりました。『博士の愛した数式』が有名になりましたが、彼女は不思議な人物を造形す

るのがほんとに巧みですね。