大雪山と大雪湖  福祉と負担

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 7月1日に所用があり、往復10時間半ほどかけて高速バスで札幌に出ました。内地なら東京と金沢や

山形を往復できる時間です。美幌と札幌ではバスでも列車でもほぼこのくらいかかります。この日道東と

道央を分ける峠の近くで、車窓からデジカメで撮った写真を載せました。


〔福祉と負担〕

 第二部「日本国改造計画」のために準備をはじめました。その一環として、主な政党がどんな国家ビジ

ョンあるいはグランド・デザインを持っているのか知りたいと思い、それぞれのホームページを検索し、

公約あるいは政策を比較検討しています。自民党の「155の約束」は写真を多用していて、実質的な部

分だけ印刷すると12頁。民主党の「2007年政策リスト300」はとても細かい字で25枚。「社会民

主党宣言」は大きな字で5頁です。公明党共産党のホームページでは、該当する文書にたどり着けませ

んでした。今後何回かに分けて、三党の主張にコメントしていきます。

 比較の視点のひとつは、広い意味の社会福祉費とその国民負担のバランスです。老齢・障害年金、医

療・介護保険、失業補償・就業支援、教育費、出産・育児支援生活保護などに対する公的支出を、社会

福祉費とみなします。税や公的保険料、それに国・地方自治体の負債などが国民負担です。両者の量的な

組み合わせには、 々睇蘆換睚〇磧´◆々睇蘆環稱〇磧´ 低負担高福祉 ぁ…禀蘆環稱〇磴痢■瓦

が考えられます。   

 △旅睇蘆環稱〇磴鮓?海叛策に掲げる党や政治家は国民の支持を得られません。しかし現実にはあり

えます。直接・間接に国民から集めた資金が大量に、軍備や戦争、公職にある有力な個人や彼らとつなが

りのある民間団体・企業に流れたり、制度運営者の不正や非効率で浪費されたりして、一般国民に還元す

る分がやせている場合です。この場合、国民の不満を抑えるため、実際の資金の流れが隠蔽されたり、国

家の危機や民族の栄光が強調されたり、国民の安全や経済成長の必要性が説かれたりします。現実を覆い

隠す美麗字句が多用され、上からの忍耐を求める「道徳」の押し付けが強まり、自由な言論と行動への干

渉が見られます。さらに、反抗的な個人に暴力的な攻撃が行われるかもしれません。

 の低負担高福祉が可能になるのは、他国に高く売れる自然資源に恵まれていたり、強い経済力や軍事

力で他国の国民から富を収奪できたり、革命政府が富裕者の蓄えた巨額の富を接収したりした場合です。

現在ではいずれも持続の難しい一時的例外でしょう。これらの条件があっても、政権担当者が国民に対し

てほんとうに誠実でないと、低負担高福祉は実現しません。

 現代では、国民をだまして票を集めることを潔よしとしない誠実な政党なら、選択肢は,旅睇蘆換睚

祉かい猟禀蘆環稱〇磴里匹舛蕕、あるいは折衷的な中負担中福祉しかないはずです。折衷案をわたしは

こう考えます。中負担は定義できます。例えば、個人の稼ぎの平均25%以下の負担を低負担、50%超を

高負担として、その中間というように。しかし、中福祉は定義が困難です。「健康で文化的な最低限の生

活」をすべての国民に保障するのが福祉だとすれば、それが満たされているのは高福祉であり、一部であ

っても望んで満たされない国民がいれば、低福祉ではないでしょうか。理念としては、個人にとって不可

抗力な要因で貧困・病苦に沈む個人を放置するかしないか、二つに一つです。したがって折衷案はごまか

しだと思います。これから各党の文書を検討していくとき、以上の視点を忘れないようにしましょう。