ほんとに花の天国みたい
フラワーパラダイス(花の天国)に行ってきました。臨終の瞬間にお花畑とトンネルと光を見るという話
を読んだことがあります。わたしにそういうことが起きたとき、この日の光景が見えるのではないかと思
いました。去年も今年も何度となく行っていますが、今回がもっとも印象的です。
門をくぐってすぐ、ナツユキソウの真っ白な群落にオリエンタルポヒーの鮮やかなオレンジ色が散らば
っています。目を山の背に向ければ、白いマーガレットと新緑の木々と赤紫のカエデが絶妙なコントラス
トを見せています。車で頂上近くまで登ると、マーガレット、ルピナス、オリエタルポピー、牡丹がいた
るところで斜面を彩り、足元には小さな青紫の花が群落をつくり、頂上展望台の草むらには雛菊と思われ
るだいだい色が広がっていました。
色とりどりの牡丹とオリエンタルポヒーがこの日の主役でしたが、他にツツジやオダマキ、それに新芽
にぽつぽつ花をつけたハマナスも見ごたえがありました。野草園もあって、センダイハギ、チシマフウ
ロ、エンレイソウなども咲いています。白いミヤマエンレイソウやオオバノエンレイソウには雪解け間も
ないいころよく会いますが、黒紫色をしたただのエンレイソウは、実物を初めて見ました。
野の花・山の花に興味をもっていましたけれど、丹念に手を入れた園芸種が主役の広大な花園も、こん
なに魅力的だったんですね。この日もたくさんの方が山のあちこちに散らばって作業をしていました。人
件費だけも大変でしょうに、入園料を取りません。門のところでは係りの人が「ご苦労様でした」と、帰
る来訪客一人ひとりに声を掛けています。野草園はフラパラを愛するボランティア団体が整備しているそ
うです。財政難の北見市がよく頑張っています。
わたしのような初心者とちがい本格的な機器をもつカメラマンに3人会いました。平日なのにかなりの
来訪者です。でも、本州の観光地のように人波に辟易するようなことはありません。一番人が多かった牡
丹園でも、数組に出会っただけです。一山全体が花園ですから、散らばるのでしょう。フリーペーパー
が、今年は入園者が増えていると、報じていました。わたしの大好きな場所のひとつですから、なんだか
うれしい気がします。
今日の写真は何種類かの花が混じったものです。個々の花はおいおい載せます。色も明度もちがう花を
同時に撮るのはむずかしい。一つに明度を合わせると、他が暗くなったり陰影がなくなったりします。そ
れに背景の緑が黒くなって、目で見る魅力はどうにも表現できません。あらためてヒトの目の性能のすご
さに感心しました。ちなみに二枚目の青い花はオダマキだそうです。他の花の名は個別の写真のとき紹介
できるでしょう。脇役で写っている名前を知らない花もありますが。