山の花  生物は遺伝子の乗り物

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 仁頃山の花たちです。最初の二枚はミヤマスミレではないかと思います。登山道周辺のいたるところで

見かけました。次が薄い色をのせたニリンソウ(サンリンソウ ?)とヒメイチゲ。最後は林間に白く輝いて

いたコブシ。

 八合目半ばから雪が残っていて、その下から黄白色のおいしそうなふきのとうが、たくさん顔を出して

いました。もちろん摘んで帰り、フキ味噌を作りました。


〔生物個体は遺伝子の乗り物 ?〕

 今度も論理のあそびです。リチャード・ドーキンスは、生物進化における遺伝子の自己複製機能を強調

しました。彼の主張を通俗化して、〔生物個体は遺伝子の乗り物である〕と表現してみます。この命題の

正誤を吟味しましょう。

 まず高校数学の復習です。AならばBである(A→B)という命題で、BならばAである(B→A)を逆とい

う。AでなければBでないが裏、BでなければAでないが対偶。命題が正しくても、逆や裏は正しいとは

限らないが、対偶は命題と等価だ(命題が正しければ対偶も正しく、命題が誤であれば対偶も誤)。ある命

題の正誤がわかりにくいとき、対偶を吟味してもいい。そういうことでしたよね。

 〔生物個体は遺伝子の乗り物である〕の対偶を作ると、〔遺伝子の乗り物でなければ生物個体ではな

い〕です。あきらかに誤だとわかります。子孫を残さない生物個体があることは事実で、誤の証明は例外

を一つ挙げればいいことになっていますから。
 
 この誤命題が「女性の役目は子どもをつくること」などという発言の基にあります。分裂で増殖する単

細胞生物には、個体がないと言うこともできます。その場合、逆命題の〔遺伝子の乗り物は生物個体であ

る〕や、裏命題の〔生物個体でなければ遺伝子の乗り物ではない〕は、正でしょう。遺伝子は個体によっ

て保存され、増殖します。裏や逆が正しいものだから、もとの命題も認められるような錯覚が生じまし

た。