湖畔林道 エネルギー転換 1
コゴミを見つけ、10分ほどで大量に収穫しました。帰ってすぐにゆで、冷水に浸して冷蔵庫に。毎日い
ろんな方法で食べ続けていますが、まだなくなりません。今年はコゴミはもう結構、そんな気分。
写真は林道沿いの植物。福寿草、ゼンマイ(かな?)、コゴミです。
浅くて不満ですが、なんとかエネルギー転換の話題を文章にしました。二回に分けて載せます。
〔エネルギー転換1〕
6500万年前の地球外小天体の衝突では、当時支配的だった恐竜には予知や回避の能力がなかった。だか
ら彼らは、鳥に進化したもの以外、すべて滅んだ。中世ヨーロッパの人々は、黒死病の予防や治療の手段
を知らなかった。だから国によっては、一年か二年のうちに人口が半減した。いまわたしたちは、50年
以内に低コストの石油が枯渇することも、従来どおりの化石燃料消費がノアの洪水のような災害につなが
る可能性も、承知している。技術的には対応策も見えている。恐竜や黒死病の死者は、悼まれこそすれ罪
を問われることはない。だがわたしたちは、手をこまねいて黙示録的結末を招いたら、ヒットラーやスタ
ーリンのような大量虐殺者より、ずっと大きな罪を背負うことになる。
石油依存からの脱却、エネルギー転換は急務。しかし、例えば人口の多い中緯度以北にいまくらす人々
は、寒さをしのぐだけでも、大量のエネルギーを必要とする。消費削減では、くらしの安全と健康を損な
う人が出る。真っ先に犠牲になるのは弱者である。それに、経済が後退すれば、飢餓と栄養不足の解消が
遠のき、国際紛争が増える。戦争やテロが激化して混乱が広がれば、食糧と石油の争奪戦になる。必要な
のは節約ではなく、エネルギー転換と効率化である。わたしは、何人かの専門家が言うように、経済発展
とエネルギー転換はトレード・オフではなく、両立が可能だと信じている。しかし、混乱の少ない両立の
道はとても狭いと思う。国際社会と各国が政策選択をまちがえば、道を踏み外すことになるだろう。
現在の趨勢が続けば、世界人口は今世紀半ばに90億人台でピークを迎え、その後は減少に向かうと考
えられているようだ。そのころには、核融合発電あるいは宇宙太陽光発電か何か、革新的なエネルギー供
給にめどがついている可能性がある。それまでどうやって、先進国の生活水準を落とさず、途上国の経済
発展を図りながら、温暖化ガス増加を二酸化炭素換算で500ppm以下に抑えて凌ぐか。ここ数年の政策
選択がその成否を決めるにちがいない。
どれかひとつの手段で石油の代替はむり。成否は、車・工場・家庭の燃料効率の改善、排気対策やコジ
ェネレーションを伴う石炭・天然ガス発電の拡大、二酸化炭素回収と地下注入、バイオ燃料・風力発電・
太陽光発電・水素燃料などの循環型エネルギーの普及、森林伐採中止と環境保全型農業など、すべてをバ
ランスよく組み合わせるマスタープランにかかっている。負担できる資金には限りがあり、投下分野の選
択をまちがうと、肝心なところに資金が回らなくなったり、ある国・地域・階層の生活を破綻させて社会
の混乱を引き起こしたりする。文系・理系を綜合する綿密なプランが必要だ。(次回に続く)