老人パワーの片鱗を見た
年度末が近いのでいろんな住民組織で来期の役員体勢が話題になっています。わたしも自治会の班長か
ら役員か班長をやる気はないかと打診されています。75歳以上は免除されるのですが、現役の人は忙し
いだろうからと、60台の引退者に目が向くようです。
日曜日にシルバー会(老人会)の定例会があって、いつものように呑みながらおしゃべりしてきました
た。そこでもパークゴルフの役員のことを話題にしているグループがありました。傍で聞いていて、おぼ
ろげに見えてきたことがあります。コースの整備や維持は町がやっていると思っていましたがそうではな
く、利用者が相談して自発的に草刈や管理をしているようです。そういう活動の参加者は確保できるよう
で、問題は役員らしいのです。パークゴルフ協会の役員も老人が中心で、次期の引き受け手を何とか見つ
けようとしていました。
この町も多くの地方と同じで経済活力の低下に悩んでいる様子ですが、各種スポーツは盛んです。体が
動く間は、卓球とかミニバレーとか、何らかの活動に参加している老人が少なくないのでしょう。特にパ
ークゴルフは、老いも若きも、まったくやらない人の方が少ないみたいです。それぞれの競技を通じて町
外の人とのネットワークもできているようです。自治体は施設の提供をするだけで、団体の運営はすべて
自主的なものらしい。
前にいた関東の地域にもスポーツクラブはありましたが、住民全体の中での自主活動参加者の割合は、
こちらよりずっと少なかったと思います。営利企業の営む施設で運動する人の方が多いでしょう。わたし
が知る限りでは、美幌には営利的なスポーツ施設はありません。こちらでは町が用意した場所で、老人や
女性が世話役を引き受けて活動する自主的な集団が、とても大きな役割を果たしているようです。
シルバー会の会話に戻りますが、役員を降りたいと訴えている人も、自主活動の重要性を強く語ってい
ました。そして、昨年の大水避難の件に触れて、役場の職員より地域の世話役のほうが役に立った、もっ
と地域の人に活動の機会を与えるべきだと、気炎を上げていました。役場の人もよくやったと思います。
でも確かに、現役のときには組織の中核で経験を積み、地域住民の細かな心理に共感できる老人たちのパ
ワーは、もっと活用していい人的資源なのかもしれない、とも感じました。何か役に立つことはなどと、
あのとき考えもしなかった自分が恥ずかしい。