戦場で兵士の心は

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 12月14日の雪景色の続きです。yayoiさん、写真をみんなに見せてくれてありがとう。


 中井久夫の『樹をみつめて』にある「戦争と平和についての観察」から、戦場の兵士について書いてい

るなかで、印象深かった文をいくつか引用します。<>のなかはわたしのことばです。


 敵に向かって発砲する兵士の率はほぼ一定で、15%か20%

 <イラク戦争で>米国の軍用車両とイラク軍がすれ違って激しく撃ち合ったが、さっぱり弾が命中しない

 日本軍と中国軍が相対峙した時も、最初は狙わずに空に向かって撃つのだが、たまたま戦友に敵弾が命

中して彼が戦死すると、その兵士はにわかに真剣に射撃し始める

 一般に、戦闘における死者の大部分は逃走中に生じるが、それは人間の顔に向かって射撃するのは精神

的抑制が働くからであって、
 

 <発砲率を向上させたい指揮官は、どうするか>

 首を固定して残虐なシーンを無意味化するまでみせつづける

 メロンをくりぬいてトマトジュースを入れ、・・・・五人一組で射撃させ、成績に従って賞罰を与える

 ベトナム人は人間でないという暗示を与える

 17歳という若い少年兵を用いる

 中国戦線の日本軍は、初期には、中国人は豚と思えと教育し、捕虜の刺突を行わせたことがあった


 <発砲率が高い兵士は>

 半分は強い市民的義務感の持ち主であり、残りは冷酷な人格障害

 戦争は実に彼ら(ヤクザー引用者)の出番なのである

 平時の生活に適応できない者が活躍の場を見いだす


 <中井さんは帰還兵からの伝聞と丹念に集めた記録からこれらの記述をしています。前後のつながりを

無視して、勝手に細切れの引用をしました。興味をもたれた方は、直接本書に当たってください。戦争を

テーマにしたもの以外にも、とてもいい随筆や評論が載っています。>