池田町の町おこし

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 1962年、わたしが大学をやめて下町のプレス工場で臨時工をしていたころかな、新聞で北海道の池田町というところがワインの製造を始めたという記事を見ました。当時はワインを飲む習慣のある家など少なく、日本の産地としては勝沼くらいしか知られていませんでした。あのころから一度行っただけの北海道にあこがれていたせいで、この記事が記憶に残ったのだと思います。20年ほど後に妻と二人で道内を回ったときには、この町のワインはだんだん知られるようになって来ていました。その後もこの町を通過することはありましたが、車だからどうせ飲めないと、立ち寄りませんでした。今回行ってみて、立派な建物を維持し、あれだけのイベントを主催できるようになっていることを知り、他人事ながらなんだかうれしい気がします。
 十勝地震の影響などもあって逼迫していた町の経済を何とかしようと、当時の町長があの辺にたくさん自生していた山ブドウに目をつけ、ワイン作りを研究し始めたのだそうです。商業化できるようになるまでに13年かかり、町長は非難も浴びたようです。それでもいま十勝ワインといえば知る人も多いブランドにまで育て上げたのですから、えらいですね。人口8千人ちょっとのこの町が、いままでのところは合併せずにこれたのは、ワインという産業があったためではないかと想像しました。ちなみに、わが美幌が合併していないのは、自衛隊という産業がこの町にあったからではないか、これもわたしの想像です。どちらの町も今後はどうなるかわかりません。夕張市財政破綻したように、北海道の市町村はどこも苦しいのです。隣の北見市も負債に四苦八苦のようです。
 池田町の産業にはワインのほかに肉牛もあります。自前の素材だからあれだけ気前よくふるまえたのでしょうね。それにしても、ワインだけでなく肉も野菜も5千人分用意し、どの網にも樽にも待たせることなく補給する大勢のスタッフを集めるのは、並たいていの苦労ではないでしょうに。ワイン工場(ワイン城)が町営で、いろんな形で人々の暮らしに結びついていて、町の人の気持ちが盛り上がるからできるのでしょうね。まつりは33年間続いているそうです。町民ワインというのがあって、町の人は格安で買えます。わたしもそのロゼを一本分けてもらって、昨夜家で味わいました。さわやかな酸味の口当たりのいいお酒でした。

 写真はワイン城とイベント会場のソーセージ早食いコンテストです。