国後島の見える海

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 えびの尻尾の形をした野付半島の話にもどります。観光拠点のネイチャー・センターは、駐車場にたくさんの車や観光バスがあって、人でにぎわっていました。ほとんどの人は、そこからえびの尻尾の短い一本をたどって、トドワラを見に行きます。トドワラというのはトドマツが潮風にさらされて、白い枯れ木になって立っていたり、倒れて水に浸かっていたりするものです。今ではほとんどが水に沈んでいるそうです。以前まだ立ち枯れがたくさんあったころ、小学生の息子と二人で、小雨のなかを観光馬車に乗って見に行きました。そのときNHKの記者が一緒に来て息子を撮っていましたが、けっきょく放送はされなかったようです。
 今回わたしは、翌朝尾岱沼の観光船でトドワラのところへ行くつもりでしたから、一番長い尻尾をたどって、灯台に向かいました。住民以外の人の車は途中で進入禁止になり、そこからは歩きです。たまに地元漁師のトラックが土煙を上げて行き過ぎるだけで、灯台まで歩く観光客はわたし一人でした。この日、雲との境目はあいまいですが、灯台近くからオホーツク海を眺めると、国後島の一部はかすかに見えました。天気のせいでしょうか、引き上げられた船も砂浜も、なんだかわびしい感じです。それでも、だれもいない砂浜に腰をおろして、打ち寄せる波を見ているのは、いい気分でした。