夏の田園
刈跡の残株を細かく砕いてまき散らしていました。来年耕作のときに土と混ぜ合わせるのでしょうか。去
年と今年では同じ場所に植える作物の種類がちがうようです。麦、ビート、豆、タマネギ、ジャガイモ、
ネギ、ニンジンなど、年ごとに作物を変え、それぞれに固有の病原菌が繁殖するのを防いでいるのでしょ
うか。連作による収穫低下を防ぐノウハウがあるのでしょうね。
麦畑の隅には脱穀後の麦わらがロールにして置かれています。家畜の飼料にされるのかなー。大きなロ
ールです。現代農業は、少なくても北海道では、ほとんどの作業が機械で行われいるみたい。4枚目の
青々としている畑は多分ビート。最後のは小豆でしょうか、それとも金時か白花豆?整然と並んだ畝が、
農家の庭先まで伸びています。葉の茶色が濃くなると、刈り取りから脱穀・袋詰めまで、トラクターで一
気に行われるのでしょうか。
子どものころにいた魚沼地方の山村では、田植えにしても稲刈りにしても人の手で行われていました。
雪のあるうちにそりで堆肥を運び、雪が消えてから田起こしをするときは、牛が使われていました。それ
でも牛を飼えないほど貧しい家もあって、子どもに学校を休ませたりして、一家の労働力を総動員して人
力でそりを引き、土を耕すこともあったようです。見るからに過酷な労働で、わたしにはできない、やり
たくないと感じたものです。
アスパラやイチゴの摘み取りなどは今でも人がするのでしょう。とすれば、その労賃がありますから安
くならないのも当然です。全体としては昔ほど人の筋力に頼らなくなっていると思いますが、その代わり
機械、肥料、農薬など、投資しなければならない資金がかさみます。市況や天候を考えて作付けの計画を
立て、消費者の好みの変化や農政・貿易交渉の行方まで注目するとなれば、頭脳労働の面も大きくなりま
す。田園風景はのびやかですが、経営は気楽ではないのでしょうね。