枯れ草に氷の花

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 ちょうど1週間前の早朝、もう木々には霧氷がつきませんでしたが、枯れ草や潅木は冬の名残のような

輝きを見せてくれました。


 NHKBSハイビジョンで韓国ドラマ『太王四神記』が放送されています。超自然的なものは好きでな

いので、初めのうちは本気で見てはいませんでした。ところがたまたま網野善彦の『日本社会の歴史』

(上中下岩波新書)を読み返したところ、急にこのドラマに興味が出ました。網野さんは縄文から古代王朝

の時期、日本は東アジア文化圏の一部であったと教えてくれています。中国東北部、朝鮮、ユーラシア大

陸極東部、中国南部などと活発に交流しながら、列島弧各地に特色のあるくらしが展開され、支配勢力の

盛衰が進みます。高句麗も隣人の有力なひとつです。この韓ドラは高句麗の建国神話を取り入れているよ

うに思えてきて、興味を引かれたのです。

 ギリシャローマ神話には断片的な知識があります。ゲルマン神話は一時期だいぶ読み込みました。古

代中国については宮城谷さんの小説でなじんでいます。ところが、お隣の朝鮮半島については自分が、神

話も歴史もまったく知らないことに気づいて、愕然としました。思えばともに、中華帝国の辺境にあっ

て、蛮だとか夷だとかと蔑まれながら、長い間、中華の文物を畏敬しつつ間歇的に大帝国への対抗心を燃

え立たせていました。それが明治以降のこの国で、アンビバレントな感情の対象が中華帝国から欧米大国

に変わり、彼らの視点で大陸や半島の隣人を蔑視し軽んじる風潮が強くなりました。わたしもその精神風

土のなかで育ったのだと、あらためて自覚させられています。