枯れ枝に咲く白い花 2

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 公園の築山周辺に植えられたエゾムラキキツツジに白い雪の花が咲いていました。今日の予報は曇りで

すが、いまは陽が射しています。光と影が昨日とちがう冷たくも華やかな光景を演出しているでしょう。

さっそく出かけたいところですが、明日の注腸造影検査に備え下剤の服用がはじまっていますので、おと

なしくしているほうが無難です。


 グールドの本に関する感想の続きです。

 グールドはABの分離と統合を主張しています。まず分離について。彼はBによるAへの越境を強く非

難します。例えば、 。稗椎(知性をもつ超越的存在のインテリジェント・デザインでこの世が創造さ

れたと主張する人々)による、量子論、進化論、人間原理などの科学理論の曲解。あるいは、創造説信奉

者の、彼らの教条に反する進化論を学校から追放せよという主張です。日本人はこのような潮流の隆盛は

アメリカ一国だけの現象だからと、対岸の火事のように受け取ることがふつうです。しかし、アメリカの

この運動は、人間が他の被造物より優れていて、自然は人間に役立つために存在するという思想からきて

います。似た考え方は少し前の時代に日本人にも見られました。また今でも欧米人の一般的な意識では、

人とペット以外の動物は物にすぎません。

 表面的には,叛吉紳个妨えますが、次のような見解も同じくBによるAの侵犯です。◆/拡?、道

徳的によきものの根拠とみなす自然の賛美。「自然に帰れ」という主張もその一部です。日本では仏教や

エコロジー運動を介して、あいまいな形ではあっても、わたしたちの意識にかなり浸透している意識で

す。しかし、ここ数年の地球科学の成果で、10万年単位で見れば、日本全国の住民ほとんどに壊滅的な

被害をもたらすほどの巨大噴火の確率が大きいことがわかってきました。歴史時代に入ってからはまだそ

れほどの大災害が記録されていないので、「いつくしみ深い母なる自然」のイメージが繁殖しているだけ

です。道徳面についてグールドが、生物のあいだで「ふつうは平和的な協同が暴力的な競合よりも優勢で

ある」と認めつつも、人の基準から見れば冷酷非情な狩りバチの幼虫の対極的な例を挙げています。イモ

虫の体内で孵化した幼虫は、心臓など生命にかかわる器官を最後に残して、生きている宿主の体を内部か

ら食べ進むそうです。

 人が生き残るかどうかに自然は関心がない。人間社会の内部問題である。美意識や道徳や意味づけは自

然が与えるものではない。人が作り上げるべき精神の課題である。社会がどうあるべきか、美しさと醜さ

の感覚、何が正しい倫理・道徳か、などの視点を科学に持ち込んではならない。それはあるがままの自然

に対する認識の発達を妨げ、正しい自然認識を参照して発展すべき精神領域をゆがめる。グールドはそう

言いたいのだと思います。

 彼はまたAのBに対する侵犯も批判しています。(続く)