またまた天上の花
た。ありがとう。本州の山でもガンコウランはあったような気がしますが、いろんな山の記憶が混じって
いるかも。若いころ知床の羅臼岳に登ったとき、コケモモとガンコウランの実がたくさんあって、食べた
ことは覚えています。
今日のはじめの三枚はエゾイソツツジ。この名前は山頂駅前の案内板にあったのですが、正式にはイソ
ツツジのようです。図鑑によってはエゾをつけると載っていなかったりします。道新(北海道新聞社)版に
は、イソは磯でなく、エゾツツジの訛りと書いてありました。だとすると、エゾイソツツジでは二重で
す。厚い葉はシャクナゲに似ています。花の蜜は毒だとか。北大版は、大雪一帯に葉のもっと細いヒメイ
ソツツジという亜種がある、としています。わたしが見たのはどちらでしょうか。
後の三枚はアオノツガザクラです。ネットの「Botanical Garden」によると、エゾ
(ノ)ツガザクラとともに、栂とも桜とも無関係で、ツツジの仲間だそうです。北大版は、エゾツガザクラ
にも白い花をつけるものがあり、アオノとの間にさまざまな変種がある、と書いています。
もともと、生物の種は一般に考えられているほどきっぱり区分されるものではなく、連続的なほうがふ
つうなようです。いま読んでいる『人類最後のタブー』(NHK出版)という本によれば、ヒトの女性は、
そうしようと思えば、ヒトとチンパンジーの雑種を産むことができるとか。サルとヒトも連続的で、何百
万年か前に、ちょっとそれまでいたサルとちがうところのある亜種が、また少しそれとも違うものが、と
いうように、サルといまのヒトの間に位置するたくさんの種が生まれて、結局現生人類がすべての中間種
を駆逐したというのが事実のようです。いまやヒトとの雑種を産むことのできる近縁種のすべてが、絶滅
の縁にいます。ツガザクラも生存競争を繰り広げたり、棲み分けたりして、やがて隔絶した種が成立する
のでしょうか。