海  個性とは奥深いもの

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 紋別の大山頂上にある展望塔から見た海と市街です。鮮やかなオホーツクブルーが印象的でした。三枚

目の写真右上の人影は背後霊ではありのせん。展望窓は開閉できないので、ガラス越しに撮りました。そ

のときわたしの影が入ったのです。


 首相が安倍さんからわたしに代わったら、日本の将来はすっかりちがうものになるでしょう。でも、わ

たしの脳で神経細胞を構成する電子が、庭にあるコンポスト生ゴミに含まれる電子と入れ替わっても、

何一つ変化はありません。人はそれぞれ別な存在ですが、素量子には固有性がないからです。

 群咲く野の花は似ていますが、一つ一つよく見ればみんな個性があります。わたしたちの身の周りにあ

る、ハエでもホーレンソウでも石でも塵でも、まったく同じというものはない。それがあたりまえだと思

っていましたので、若いころ化学の本を読んでいて、素粒子には固有性がないとはじめて知ったとき、不

思議な世界を垣間見た気がしました。

 光子でもニュートリノでも、電子でもクオークでも、種類が同じならまったく同じ。原子もそうでしょ

うね。ある二酸化炭素分子ともう一つの二酸化炭素分子にちがいがあるとも思えません。無機分子でもい

くつかの種類がたくさん集まって、例えば石になる。そうすると、組成の同じ流紋岩がそれぞれ別な模様

を見せます。アミノ酸たんぱく質、細胞、組織、身体、どの段階から固有性が現れるのでしょう。

 ともあれ、固有性は物質そのもの(素粒子)からではなく、物質の組み合わされ方(パターン)という

情報から生じるようです。わたしの細胞の中に集まった遺伝子のそれぞれは、あなたやラットとほとんど

同じでしょう。しかし、わたしのゲノムは他のだれとも同じではない(わたしには一卵性の兄弟はいませ

ん)。そしてそれぞれの遺伝子の発現が環境に調整されて、いまのわたしになりました。

 ヒトの脳は宇宙そのものと同じくらい複雑だとか。個人の神経回路では、一つ一つの部分に固有性が刻

印されています。個人が体現する素粒子組み合わせパターンは、唯一無二です。個性とは奥深いもの。