透明な輝き

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 星羅パパさん、ゲストブックでの年賀、ありがとうございます。今後ともよろしく。


 そらさん、このところ雪が降るばかりで、気温が0度前後と暖かいものですから、氷紋が見られなくて

残念です。前回撮ったのがまだ残っていますので、そのうちにまた。-20度近くまで冷え込むと、普段

はみすぼらしい枯れ草が、今日の写真のような幻想的な姿に変わります。


 息子夫婦や、姪たち、塾の卒業生などから年賀状が届きました。みんな乳児、幼児、学齢期などの子ど

もがいます。わたしにとっては次世代、若い親たちの、にぎわしくも苦労が多いであろうくらしの雰囲気

が伝わってきます。引退し老後を過ごしているわたしは、自分の体や心のリズムに忠実に、ストレスを溜

めないように心がけています。彼らはそうはいかないでしょう。自分の身体リズムに逆らって、授乳、オ

ムツ換え、寝かしつけ、遊びの相手、読み聞かせなど、子どものリズムに従わなくてはなりません。仕事

もそうです。自分より職場の都合を優先、を余儀なくされます。

 ある種の植物や鮭などの魚は、種子を散らしたり卵を受精させたりすると親の生涯が終わります。哺乳

動物は子育て以後も生きることが多いようです。彼らの場合、子を宿した親の体内で母体と胎児のあいだ

で生体資源の奪い合いが見られると、何かで読みました。子育て期間が長く、その後も老後が長くなりが

ちなヒトで、親個体の生存本能と子孫を残す本能の葛藤が頂点に達するのでしょうか。

 中国の孔子の言説には、その葛藤を親優先で解決しようとする姿勢が感じられます。「孝」や「年長者

への従順」が彼の倫理の重要な要素です。子が親を扶養する動植物の例をわたしは知りません。社会倫理

儒教が深い影を落としている韓国や日本では、いまだ「子が親を扶養する」を当然視する意識が残って

います。フィンランドは老後のくらしを政府の責任で支える制度を整備して、子が親を扶養する義務を削

除した憲法を採用しました。予算配分でも、老後保障費に対する子ども・若者支援の比率が、日本よりず

っと高くなっています。この国では出産率が大幅に改善しました。子のために親が個体の自然を犠牲にす

る割合が少し小さくなりましたから。

 わたしは孔子よりフィンランドの行き方のほうが好きです。とはいえ日本では、老後保障より子ども・

若者支援を手厚く、と主張するには、姥捨てを受け入れる覚悟が必要ですね。