マイクル・クライトンの反論

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 まずワッカ原生花園の写真を見てください。だいだい色はエゾスカシユリ、黄色いユリに似た花はゼンテイカ、紫はハマナス、紺色はヒオウギアヤメ、房状の黄色はセンダイハギです。個々の写真はまた別の日に。

 (承前)マイクル・クライトンは5点セットのすべてに異論を紹介しています。,砲弔い討蓮二酸化炭素が地球大気に占める割合は小さいのだから、その濃度が少し上昇したからといって、気温を上昇させる効果は大きくないはずだ、と登場人物に言わせています。クライトン自身は、二酸化炭素濃度の上昇は認めています。人間活動がその原因である可能性も否定しません。
 △悗糧刃世呂發辰箸△らさまです。1850年以降自然な温暖化が続いており、現在の気温上昇も二酸化炭素増加が原因だとは断定はできない、というのです。わたしが見ることのできた資料でも、たしかに、二酸化炭素濃度のグラフと気温のグラフはおおまかには同じように変動しますが、細かく見ると乖離する時期もあります。局地的にはまったく一致しない場所もあります。科学者たちは、どれをどれだけ重視するかは人によってちがいますが、気温を変動させるその他の要因があることは知っています。わたしが思いつく項目は、都市拡大の影響、噴火した火山の粉塵による太陽光の遮蔽効果、太陽活動の盛衰、地球表面での太陽光反射率の変化(たとえば雪や氷やコンクリートの面積が増えると光の吸収が減る)、水蒸気や雲の量、地球自転軸の傾きなどです。他に、わたしが知らないことや、科学者にもまだわかっていない要因もあるかもしれません。伊藤さんによれば、1万年から150万年前の変動では、気温の変化が原因で二酸化炭素量の変化が結果だと考えられるそうです。
 についてクライトンは、100年後の気候を予想することは不可能だと、強く主張しています。彼自身は100年後の気温上昇は0.812346度だと思う、と言いますが、これはIPCCの予測と同じに、まったく確実性のない推測に過ぎない、と断っています。わたしは、反対意見の内容を知ることができなくていらいらしながらも、IPCCの予測だから、地球シュミレーターの計算だから、NHKが放送しているんだから、まんざら根拠がないわけではなかろうと思うようになっていました。一方向の議論への警戒心がたりませんでした。
 つい昨日読み終わった本があります。わたしの大好きな進化生物学者S.J.グールドの遺作で、『マラケシュの贋化石 上・下』(早川書房)です。そのなかに、気候についてではありませんが、こういう言葉がありました。「先を読もうとする天才の軽挙に世界をゆだねてはいけない。(中略)未来の予測はできない。」(続く)