雪の浜行くノロッコ号
走ります。夏の臨時停車駅の小清水原生花園から網走から3つ目の東藻琴駅まで、線路が敷かれているのは
海の際です。その間にあるのが北浜駅。わたしがたまたま北浜の浜辺に立っていると、ノロッコ号が通りました。
流氷を楽しみに予約した乗客に気の毒なことに、この日は沖合いはるか先の白い帯さえ見えません。前日はこ
のあたりから知床岬まで接岸していたのに、一夜にして姿が消えています。それでも北浜駅周辺には、カメラを
手に待ち構える鉄道ファンらしい人影がありました。わたしのいた浜辺にもカメラを手にした若者が一人。彼は去
年も来たのだそうです。はぐれ氷がまばらに浮かぶだけの海に失望しながら、彼は「来年また来ます」と言って、
去っていきました。