雪走る

 hellopapaさん、昨日あなたが撮った雪のない冬景色に、なんだか底が抜けたような寂しさを感じました。青空
 
の下に広がる銀世界の一画に立つと、わたしは気分がすっきりしゃんとします。でも、縦横についたキタキツネの
 
深い足跡に気付き、足の先から頭のてっぺんまで厚く着込んでヨチヨチ歩く自分の姿を思い、笑いたくなったりも
 
しますけど。
 
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 1月第2週に入ってからまとまった雪は降っていません。それでも郊外の高台に行くと、風が吹くたびに雪原か
 
ら道路にかけて、細かなパウダースノーが走ります。まるで風そのものにほのかな白い色が着いているかのよう
 
に。激しい吹雪の日にここに立ったら、上下左右から襲いかかる雪嵐でさぞかし心細く感じるでしょうね。この穏
 
やかな日暮れ前でさえ、他の動物と同じはかない小さな命でしかない自分を思い出すのですから。そんなとき風
 
景の一画にある人家がとても頼もしく見えます。人工物のまったくない嵐の雪原に一人立ったら、どんな気分に
 
なるのかな。厳しい自然と向き合っているからこそ、アイヌの人たちは内地やロシアから来た探検家に人なつこ
 
い印象を与えたのでしょう。