山路の春はまだ浅く

 そらさん、桜が満開ですか。こちらの山路はまだ下の写真のような状態です。それでも町ではこのところ5月下
 
旬・6月上旬の陽気が続いて、庭の雪は隣家の陰に残るだけになりました。そろそろ乾いてきた片隅を耕してホ
 
ーレンソウを蒔かなければと思っています。
 
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 川湯から東藻琴に抜ける道道で数日前に撮った風景です。車のなかはぽかぽか暖かいのに、カメラを手に降
 
り立つ身体は冬の冷気に包まれます。藻琴山の中腹にある小清水ハイランドの建物(七枚目)に続く道はまだ除
 
雪されていません。このあたりの木々に若葉が萌えるのは6月でしょうか。その頃にはこの建物も開いているの
 
で、ベランダに立って屈斜路湖を俯瞰できます。
 
 
 放射線耐性菌は他の生物の数十倍の遺伝子損傷修復能力があって、核戦争後の高濃度放射線汚染地域で
 
も生残るようです。地底の岩盤の中にいるバクテリアもそうでしょう。生命ははかないと思われているけれど、け
 
っこうたくましいようです。ヒトがいかなる悪行をなそうとも、地球が太陽に呑み込まれる日まで、この星に命が絶
 
えることはないみたい。しかしヒトが絶滅した後で再び知性が進化する確率はほぼ絶望的だと、S.J.グールド
 
が書いていました。
 
 福島原発が海中・空中にふりまく放射能は、かつてビキニ岩礁やその他の地域で実施された核実験で放出さ
 
れた量までは至らないのかな。だとすれば今度の事故は、日本の国土に人が立ち入り不能な空間を広げること
 
はあっても、世界文明絶滅の原因になることはないでしょう。しかし物質的生産・消費の拡大という意味での経済
 
成長を今のまま続ければ、利用可能なエネルギー・真水・森林・土壌・生物多様性の急減、地球の浄化能力を
 
超えた廃棄物の蓄積、自然災害への対応力の欠如、それらが加速する国家間対立の激化などの結果、近い将
 
来文明が崩壊することは目に見えています。原発は経済成長路線にこだわって採用された、危険な手段の一つ
 
です。
 
 今度の事故は、物質的生産・消費拡大をやめて、分配を適正化し、情報の生産・消費によって人の幸せ増大を
 
目指す文明に方向転換する、最後のチャンスという気がします。このチャンスを逃せば、ヒト文明はきっと崩壊し
 
ます。まあそうなれば、ヒトが地表にどんな惨禍をもたらすにせよ、地球生態系のかく乱者であるヒトの退場後何
 
万年かすれば、再び多様な生物が満ち溢れた地球に戻るでしょう。ヒトという類のエゴを捨ててみれば、わたした
 
ちの退場こそ、最大の自然保護みたいな。