におい考 初冬の小鳥
ガリレオさん、わたしは嫌がる人の前ではひかえ、人ごみでは吸いません。でも外出するとき衣服に染み付い
し合って妥協点を探ることができますが、不特定多数の集団が相手だといろいろな問題が出てきます。わたしも
嫌煙者の主張には耳を傾けるし、健康への害を説いて喫煙しない人を増やすことには賛成です。ところであなた
は、やめられない人をいじめの対象にはしないでしょうね。
〔におい考〕
対人感情が絡む「におい」には、微妙なところがあります。周りにさわやかな空気と豊かな草木が溢れていた昔
は、肥溜め、屋内の家畜・人のにおいなどにも寛大だったような気がします。いまは汗くささとか、口臭だとか、加
齢臭だとか、いいろいろと。かわいい赤ちゃんやペットの糞便臭には平気でも、つらく当たられた舅・姑のオムツ
を変えるときにはきつく感じるかもしれません。それを予想すれば当人たちは、嫁に世話をしてもらうより金を出し
て他人に頼りたいと思うかも。新婚のときは好ましかった相手の体臭も、離婚直前には激しい嫌悪の種になるこ
とがありそう。
嗅覚は五感のなかでもっとも原始的でしょう。捕食者の接近を感知したり、食べ物の有毒性を判別したり。異物
を嗅ぎ当てるのに活躍した感覚ですよね。密集した都会ぐらしで息が詰まりそうになって、親しい仲間以外は潜
在的な敵のように感じる人がいるかもしれません。そういう人とって、見知らぬ他人の発するにおいが我慢できな
い悪臭になることも。美幌は人があまり密集していません。町民人口の減少が心配されています。だから人をな
つかしむところがあるのかな、人の発するにおいにも大都会よりは寛大なような気がします。
においのことを考えていたら、何か昔の本で読んだ話をうっすら思い出しました。高貴な女人に思い焦がれ、相
手にしてもらえなかった男が、女性のおまるを盗みます。どんな美人でも便はくさいだろうから、それで自分の思
いを冷まそうとしたのです。ところがそれを予想していた女性が予め香りのいい練り物に取り替えていた、という
ような筋だったと思います。でも、ほんとうにほれ込んでいたら、香でなくて便でもいいにおいと感じたかもしれま
せん。便は自分のはそれほど感じないのに、他人のはとてもきついですよね。自分の程度にしか感じられないと
したら、よほど親近感が強くなっているのでしょう。あっ、断っておきますけれど、わたしにスカトロ趣味はないで
すからね。
初雪が降った2日後、ようやく晴れた土手際を散歩しているとき、鳴声を頼りに探して望遠で撮った小鳥です。
初めのは、遠いのであまりはっきりしませんが、ミヤマカケスでしょうか。後のはアカゲラです。まだ冬も本格的
になっていない時季ですから、見かける小鳥の種類が限られています。3月以降の繁殖期になると、もっと多く
なります。