燃える朝空
まりさん、日本の蒸し暑い夏に体調を崩していませんか。せいぜい夏眠して元気で帰郷を楽しんでください。も
っとも、就眠中に熱射病にかかるケースが相次いでいるようですからご用心。でもあなたは若いからだいじょうぶ
かな。
からもたらされた病原菌が新大陸住民の90パーセントほどを殺したようです。ユーラシア大陸では馬などの家
畜飼育が盛んになって新しい病原菌があらわれ、都市や集落の密集人口で感染が急速に広がるという過程が
繰り返され、生き残った人々は免疫を獲得します。その菌が免疫のない新大陸に持ち込まれたのだからたまり
ません。家畜飼育が少なかった新大陸には、侵略者を迎え撃つ病原菌がありませんでした。
ある朝目覚めて窓を開けたら、美幌川の上あたりの空で雲が燃えていました。急いでカメラを掴んで土手に上
がったのですが、茂った木々に邪魔されて東の低い空が見えません。隙間を探して右往左往するうちにどんど
ん色が褪せていきます。けっきょく今回も、燃える炎と立ち昇る黒煙が混じりあったような、不気味なクライマック
スは撮れずじまい。いつか予め車で高台に行って、待機してみましょう。でも季節は移ろうし、同じ時刻に同じ雲
が現れることは二度とありません。うまくいっても写るのは別な光景です。