残照

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 日が落ちてからしばらく、赤みを帯びた照り返しが空に残っています。南西の山際で雲の墨色が濃くな

ってから振り返ってみると、東の上空はまだ青空でした。


 このごろ食べる楽しみの一つがカキ。サロマ湖が氷に閉ざされる前の晩秋から初冬にかけて、一斗缶な

どに詰められた殻付きが安く売り出されます。でも自分で剥くと殻の破片が混じるので、わたしは手を出

しません。まあ一人ではもてあますことでもありますし。店に並ぶ剥き身が高値だった年末を過ぎ、よう

やく100グラム200円を割る品が見られるようになりました。

 先日買った200グラムのパックは、身が膨らんだ大粒が入っていて、酢牡蛎にして堪能しました。味

が忘れられず、昨日は別な店で250グラム入りを買ってきました。これは失敗。やせていて味にふくら

みがありません。円筒形のパックは外から品質を見極めるのがむずかしいですね。

 もう一つ、カジカが旬です。子どものころ越後の山村で、ヤスを手にした近所の子どもたちに誘われ

て、まだ明けきらぬ谷川でカジカを突くのを見たことがあります。4,5センチの小さなもので、乾して

だしをとると聞きました。今は珍味として唐揚などにされるようです。

 こちらの店に出ているのは海で獲れた(トゲカジカ?)もので、1キロを越す大きなものも見かけます。

おいしさに鍋を壊すほど突っつくからナベコワシの別名があるとか。2,30センチの小さなものなら2

00円前後で買えるし、一人でも食べきれるので、何度か買おうと手にしたことがあります。でもけっき

ょく魚の顔に怖気をふるって棚に戻しました。見た目はグロテスクで、けしておいしそうではないので

す。それに捌くときうっかり手が滑ったら棘が痛そうだし。鍋に入れるばかりになったパックもスーパー

には出ていますが、これはわたしには高すぎます。

 若かったころは、地元以外ではアンコウを食べる人が少なく、たまに店に出るものはとても安く売られ

ていて、わたしを喜ばせました。それが今では高級魚扱いで、なかなか手を出せません。カジカも本州か

ら注文する人が出てきているそうですから、堪能する前に高値になったらクヤシー。いまのうちに勇気を

奮って、あの獰猛な頭に出刃を刺さなくては。食いしん坊の意地ですよ。