撮りなおしたシギ ムダの効用 4

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 まりさん、健さん、コメントありがとうございました。


 卯原内の湿地にやはりシギがいました。前回のピンボケがシャクだったので、今度は三脚を据えてじっ

くりと。二羽の雛と三羽の成鳥、家族写真が撮れました(アップは後日)。今日はまずクローズアップを見

てください。


               ムダの効用 4

4 カネになればムダじゃない?(前)

 趣味にかまけて仕事や学業をないがしろにすると、たいてい「つまらないことで時間をつぶさず」、

「本気で働け」とか「もっと勉強しろ」、とか言われます。でも趣味が高じてそれを仕事にし、成功して

稼ぐようになれば、周りの人は非難したことなど忘れてほめてくれます。「カネになる」が「ムダ」を

「役立つ」に変えます。

 会社では、稼ぐ人はエライ、もうけにつながらない出費はムダ、が正論として通用します。いまやこの

考えは民間企業の外にも溢れ出て、公共的な事業でさえ、もうけに似た基準でムダの排除が語られていま

す。去年表面化したアメリカ発の世界経済危機の前は、会社の当期利益を大きく伸ばした経営者が巨額の

報酬を得るのがあたりまえでした。そういう会社で、慎重にリスクを分析して投資を縮小させる資料を作

る社員は、人件費がムダだとして解雇される危険がありました。格差拡大を心配する人はこう反論されま

した:もうけた人が報われれば、それを目指して一所懸命働く人が増えるので、経済全体が活性化し、や

がて低所得層にもその恩恵が波及する、と。

 極端な市場主義者が頼るのは、自由市場による自動調節という予定調和の経済理論です:自由競争をゆ

がめる不正取引の取り締まり・規制は必要である。だが利益を求める資本の移動は自由であるべきだ。消

費者も会社経営者も商品価値を正しく評価できる。商品に関する情報はすべて価格に反映されるので、自

分の利益を最大化しようとする売り手・買い手の行動が、需要と供給の動的な均衡を実現する結果にな

る。不採算部門からは資金が引き上げられ、もうかるところに資金が投じられるから、需要と供給が均衡

する。動的な均衡を実現する市場の合理性を妨げてはならない。優勝劣敗は市場機能の一部である、と。

 いまのところ、「金銭よりだいじなものがある」などの主張は、考慮の外に置きましょう。人の命は肉

体に支えられているので、自給自足するのでなければ、最低限の必需消費を購うカネが不可欠だという事

実を、無視することもできませんから。とりあえず次の問いに焦点を当てます。もっとも市場活動の自由

度が大きかったアメリカで、なぜ予定調和説が破綻したのか、なぜ多くの人のくらしを壊した世界経済不

況の引き金をこの国が引くことになったのか、に。(このテーマは次回に続きます)