オンネトーのサクラソウ うつ病研究の空白

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 本州では野生サクラソウは保護の対象として語られるそうですね。北海道では5月末から6月にかけて

野山を歩くと、頻繁に見かけます。もっとも、津別町民の森に咲く同じ仲間のクリンソウほどの大群落の

ある場所は、わたしは知りません。津別では人々が世話をして群落を拡大しているようです。たまたま出

会うサクラソウは、数株とか一株とか、規模が小さいことが多い印象です。でも、オンネトーの国設野営

場がある湖畔の林間にはかなり広く分布し、湖畔遊歩道沿いにもたくさん咲いています。

 写真は6月8日のもので、他の年に見たほどの数はありませんでした。遅すぎたのか、あるいは今年の

気候のせいでしょうか。


                  〔うつ病研究の空白〕

 NHKドラマ「ツレがうつになりまして」を見て、この病気の深刻さを再認識した直後、たまたま「科学」

5月号で、うつ病研究の現状を嘆く記事を読みました。加藤忠史の連載・「脳と心の交差点」第13回で

す。

 筆者によると、世界的に疾患によって失われる年数がもっとも長い病気は、ガンでも成人病でもなく、

うつ病だそうです。教師や会社員が長期に仕事を休む原因で一番多いのがこの病気、ということです。

ところが日本では、さまざまな疾患に関する発表論文がアメリカに次いで第二位なのに、うつ病では第1

0位。自殺率が先進国中でいちばん高く、アメリカとは違う気質がうつ病の原因となっている可能性があ

る日本で、研究がこんなにも遅れているのは、精神疾患の生物学的研究を担当する行政部署が不在だか

ら。筆者はそう主張しています。

 わたしは不登校や引きこもりの人と接したことがあります。どちらもそれ自体は病気ではありません。

しかし、結果として精神疾患に陥っている例はある、それを「病気ではない」を強調するあまり、医学的治

療を忌避する場合がある、また医者にかかっても、適切に治療されないことが少なくない、と感じていま

した。

 現代では、子ども・若者に限らず、仕事をもつ成人の間でも、うつ病が増えているのだと思います。そ

れがガンや統合失調症ほどには、深刻な疾患であるという認識が広まっていないため、ドラマにあったよ

うに、患者や家族の苦悩が増幅されているのではないでしょうか。

 加藤さんは書いています。「動物実験やこれまでの臨床研究から、うつ病の原因としては、神経細胞

萎縮、神経新生の低下、早期養育環境による脳内のDNAメチル化変化、脳虚血、神経変性などさまざまな

要因が考えられる。しかし、どのようなうつ病の人でどれだけこういう要因が関与しているのか、皆目わ

からない。うつ病患者の脳を調べた研究自体が、ほとんどないのである。」

 少しずつですが、脳の構造と機能がわかってきています。予算と人員を適切に投入すれば、うつ病

カニズムと治療方法の解明を促進できる可能性があります。少しでも早く研究が進み、患者と家族の苦

悩が軽減され、自殺者が減ることを願っています。