残氷の湖面 貧困が戦争を招く

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 今週初め、呼人半島と北岸の間に広がる湖面はまだ氷に覆われていました。


               〔貧困が戦争を招く〕

 元国連次長の明石さんと国連事務総長の特別顧問であるジェフェリー・サックスさんの対談が、NHK

のテレビ番組で放送されました。そのなかでサックスさんは、貧困が戦争や動乱の原因であるという主旨

の発言をしています。わたしも最近あらためてその思いを強くしていました。

 サックスさんは、エリツィン大統領時代のロシアが経済破綻に瀕したとき、欧米諸国に軍事予算を少し

削って経済支援をするように訴えましたが、彼の願いは応えられませんでした。もしこのとき支援が行わ

れていれば、軍事強固派で専制主義の傾きがあるプーチン派の台頭はなかったかもしれません。ロシアの

民主化が進んでいたら、北朝鮮の軍事冒険路線はもっと控え目だったと思います。

 日本はソマリア沖への自衛官派遣を決定しました。海賊横行の原因はこの国の深刻な飢餓です。アフリ

カの貧困解消が何よりの海賊対策。今度の北朝鮮のミサイル発射も飢餓に瀕した国民の不満を逸らすこと

が第一の目的でしょう。日本ではこれらの事態を利用して、戦争放棄憲法を空文化する軍備増強、海外

での軍事力行使、ミサイル発射基地攻撃、さらに核武装さえ唱える言説が横行しています。

 戦争挑発的言説の土壌は、国内の所得格差と貧困人口の拡大による生活不安、それに先進国中で突出し

ているGDPに対する高率な国家負債やジリ貧経済への焦りでしょう。中東が騒乱の発火点になりやすい

のは、この地域に貧富の異常な格差があり、大量の生活困難者がいることだと思います。

 だれにも飢餓の恐れがなく、生活弱者への社会保障が行き届いている国では、さまざまな危機に対して

国民が簡単にパニックになることはありません。長期的な視野に立つ堅実な政策が支持されます。