薄紅色の朝の木々

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 時刻や雲の様子で草木についた霧氷は微妙に変化するので、見るたびに新しい気がして、なかなかもう

いい飽きた、とはなりません。昇ったばかりの朝日が雲間から突然光を漏らす瞬間に、とくに薄紅色が強

調されるように感じられます。


 前に話題にした中井久夫さんの『臨床瑣談』(みすず書房)に、ガンについてこんなようことが書かれて

います(82-87頁):特定の機能を担うように分化した普通のヒト細胞は、生涯で4,50回しか分裂

しないのに、ガン細胞は機能を分担せずに無限の寿命がある。わたしたちみんなの体で、毎日何万個かの

単位のガン細胞が生まれるが、たいてい除去されて、生き残るのはわずかな数である。20年くらいのあ

いだに一ヶ所に1億個くらい溜まると、一種の要塞として存続し、3億になると一部が血液中に出ていく

ことがある。リンパ球系は、ガン細胞に対抗する精密なシステムだが、ストレスの際に出る副腎皮質ホル

モンがあるとどんどん壊れる。外科手術はストレスになるが、巨大な塊を除去するので、残った部分があ

ってもリンパ系が働きやすくなる。血液に洩れたガン細胞は好中球が食べる。その他に皮膚や粘膜とその

直下の「自然免疫」も、最近注目されているようだ。人によっては、ガンを持ちながら長く生きて社会的

活動を続けられる場合があるらしい。

 わたしの大腸ガンは腸閉塞寸前まで大きくなってから見つかりました。働いたり子育てをしていたりし

たそれまでの長い年月にわたって、わたしの体の免疫系は黙々とガン細胞と対峙し、急激な増殖を食い止

めてきたのですね。意識して「闘うぞ」といきり立って、一喜一憂してストレスホルモンを増やしていた

ら、免疫系の働きを妨害することになったのでしょうか。

 丸山ワクチンは、プラセボ効果を含め、免疫系を支援する働きがあるのかもしれません。外からの医者

の治療と内からの免疫系が、互いの効果を打ち消すことなく協働するのが、一番望ましいことだと思いま

す。そう考えると、本人の意識や周りの人の励ましも、気持ちを落ち着かせるものがいいのかな。