石の表情 3 我ここにあり

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 石そのものをテーマにしたシリーズの最後です。ことあるごとに揺れ動くわが心。でんと構えて動じる

気配のない石と対面していると、自分の卑小さが照らし出されるような。誰が見るか、何を感じるかな

ど、我関せず。ただ在るだけなのに、たたずまいにも色の配置にも自ずからなる固有性が現れています。

その落ち着いた量感がうらやましい。

 岩波の雑誌「科学」10月号の大橋力という人の連載で、「地球存亡の危機を招いた西欧近現代文明」とい

う言葉を見ました。いま世界中にある核爆弾を全部同時に爆発させても、地球は滅びません。動植物はや

がて繁栄を取り戻します。ヒトはいなくなりますけど。農耕から始まる文明は、長く見積もっても1万数

千年の歴史です。西欧文明は降雨麦作を基礎にもち、人為による無限拡大を目指すもので、アジアには灌

漑米作で有限の地球環境と調和しようとする文明があると、大橋さんは言いたいようです。想定されてい

る地球環境とは、わずか1万年余の例外的に温和な気候に恵まれた時期だけのものです。

 写真の石のなかには何億年、何千万年の時を経ているものもあるかもしれません。いずれにせよ、40

億年近く地表とともに変転を繰り返してきた岩石の仲間です。その間、核爆弾同時爆発とは比較にならな

い大規模なエネルギーが解放されるイベントも繰り返されています。1万年余の環境を、時間を超える所

与と考えるとしたら、大橋さんの力作もまた卑小。石と対話しているとそんな気がしてきます。