の発言がコラムとして連載されていますね。悪条件のなかでの健闘に頭が下がります。
写楽さん、霧多布で日の出を見れたとはなんて幸運なんでしょう。わたしなんか北海道の海に昇る太陽
を撮ろうと、いく度となく出かけているのに、めったに成功しないんですよ。ぷんぷん。
霧多布岬に湯沸埼灯台を北から見晴らす展望場所があります。オホーツク地方ではとうに終わっている
タンポポがここの草原を埋め尽くしているのに驚いて、花の裏側を確かめてみました。今ではほとんど見
られなくなっている和タンポポじゃないですか。宿の人に尋ねたら、間違いないそうです。少し西洋タン
ポポも混じっていましたが、こちらはほとんど綿毛になっていました。エゾタンポポは時季が少し遅いよ
うです。心なしか花が大きく色が深いみたいな。
わたしは2年4ヶ月前に美幌に移住する直前まで、埼玉で5人の子ども・若者の勉強を手伝っていまし
た。きのうその一人からの電話で、大学の所属する科でベスト2の成績をとり、特待生に決まったと知ら
せてもらいました。その人は小学生のあいだはほとんど登校していません。中高一貫の私立に願書を出す
前の一年弱と、受験学力をあまり身につけることなく高校を終わってから1年弱の勉強を、わたしは同伴
させてもらいました。大学入試準備は、その人の希望に添って、中一レベルから始めています。本人や家
族の予想に反して、一年で名の通った大学に合格し、そして今回の結果です。
学校教育の正規コースから逸れた人の伸びしろの大きさに、今回も驚かされました。その人だけという
わけではなく、似たような例をいくつも身近で見ているのに、そのつど感銘を受けました。もしわたしの
個人的な体験が一般化できるものだとすれば、日本の学校はきわめて非効率的なシステムだということに
なります。意欲が高まった時期に、その人のニーズに合うアシストがあれば二年で身につけられるもの
を、小学校から高校までの12年をかけて無理やり詰め込もうとするのですから。
わたしたちの身の回りには、長年繰り返されてきただけで確かな根拠がないのに、強く染み付いてしま
っている思い込みがたくさんありそうです。たいてい常識に阻まれてそれが見えない。正規の学校の階段
から外れたらたいへんなことになる、という思い込みもその一つなのでしょう。わたしはたまたま、子ど
も・若者が身をもってその反証を提示するのを見ることができる立場にいたので、このことに関しては、
常識の束縛から逃れることができました。
世界には北欧諸国やいくつかの企業など、常識の殻を破る発想の奨励とそれを普遍性ある表現に洗練す
る知識・技能構築の支援が本道になっている場所もあります。しかし日本ではそういう場所はとても狭
い。これは学校教育に限らないようです。そのため、本道より周辺の方が効率的な社会になっています。
例えば、日本のエロDVDが東南アジアなどを中心に、大きな市場を確保していると聞いたことがありま
す。江戸時代の浮世絵や現代のマンガもそうですが、周辺であったからこそ、日本人の創意工夫が花開い
たのではないでしょうか。エロDVDなどについてはもっと言いたいことがありますので、またの機会
に。