花咲く野草4種
nam**i214さん、北見フラパラに行かれたのですね。季節で咲いている花がちがうので、わたしは年に
数回行きます。4箇所の駐車場のどこかに停めて小道を歩き回ります。急坂ですからいい運動です。頂上
駐車場脇のコウリンタンポポはかなり息の長い花で、町内の公園など、オホーツク地方ではあちこちで
見かけます。
今日の写真、一枚目はチョウノスケ、次はチゴユリだと思います。この2枚は近所のお宅で撮りまし
た。3,4枚目はオホーツクの森遊歩道で見た花で、オオアマドコロと見当をつけました。でも、花や葉
の形はチゴユリ科のホウチャクソウにも似ていますので、どうでしょう。最後は同じ遊歩道のヤマブキシ
ョウマです。どこにでもある花ですが、緑一色の背景とのコントラストで、抑えた華やかさのような趣を
感じます。
〔新しい文明の姿を考える 〕
(8) 経営管理の新しい試み(前)
ここからは繰り返しの煩を避けるため、『経営の未来』を同書と表現し、修飾語のない著者という語で
同書の著者を指すことにします。
同書は経営管理のイノベーションを促す目的で書かれました。イノベーションは、シュンペーターが導
入した概念で、新製品開発、新生産方式導入、新市場開拓、新原料・新資源開発、新組織形成などを意味
すると考えられています。経営管理―資源(設備・資金・人員など)を分配し、計画を立て、作業を割り振
り、活動を鼓舞する機能―のイノベーションが企業の長期的優位を築く、と著者は考えています。「私は
自発的に自らをつくり変えられる組織、変革のドラマに痛々しいリストラの衝撃が伴わない組織を夢見て
いる。イノベーションの電流があらゆる活動に流れ、反逆者が常に保守主義者に勝利する組織を夢見てい
る。社員の情熱と創造力に本当に値し、社員からそれぞれの最高の力を自然に引き出せる企業を夢見てい
る」(序章) 。単なる夢ではありません。著者は、この方向で破天荒な経営管理を実現して、驚くべき業
績を上げている企業を、いくつも紹介しています。
トヨタの名もあります。著者は、未来型の企業に必要なのは、上が考え下は実行するだけというピラミ
ッド型の官僚組織ではなく、全社員がイノベーションのために情熱的に創意を発揮する組織だと考えてい
ます。トヨタは全社員が参加するQC(品質改良)運動=カイゼンを、半世紀ほど前(1964年)から実施
しています。これがアメリカの同業者を尻目に、同社を世界一の自動車メーカーに押し上げる原動力にな
りました。カイゼンの効果に注目したのは同書だけではありません。日本でも世界でもトヨタ方式を後追
いする企業がたくさん出てきました。
その上トヨタは、1989年に課長や係長など中間管理職を全廃しました。意思決定の迅速化や柔軟化
をもたらしたフラット化です。さらに07年になって、フラット化に伴う欠点、職場のまとまりや後輩へ
の知識・技術伝達の不足を改めるべく、小集団制を導入しています。幹部のイノベーションへの熱意、そ
れがこの会社の強みです。著者は前回の引用で、「イノベーションの炎を燃え立たせる」と「極端に低い
人件費(に生き残りをかける―引用者)」を、二者択一としています。しかしトヨタは二股をかけていたよ
うです。
昨年名古屋地裁の、トヨタの工場でカイゼンのために長時間働いていた従業員の死を不払い残業による
過労死と認定する、判決が確定しました。長い間トヨタは、自主活動という名目で、QC運動のための残
業を月2時間しか認めませんでした。裁判の結果を受け、ようやく今年の6月からカイゼンを業務と認
め、残業の上限が撤廃されます。この会社は法規制緩和以後、契約社員や派遣社員を大量に雇用していま
す。人事評価の対象になっていたカイゼンについても、事実上の強制を負担に感じ、参加を嫌がる傾向が
従業員のなかに見られるようになっているようです。「極端に低い人件費」による効率を求めれば、一人
ひとりの能力の限界まで創意工夫を引き出すことはできません。
全社をあげてイノベーションにまい進するには、経営管理の骨組みを根本的なところから変える工夫が
必要です。利潤を超える業務目的の共有(この点は後に詳説)、仲間による業績評価や資源分配権限の現場
への移譲、仲間が互いに維持するコミュニティー型の規律、処遇の透明性、トップと末端の所得格差の縮
小、創意工夫の意欲を高める有給のゆとり時間などです。トヨタは、カイゼン、中間管理職廃止、小集団
化は実施しても、地位による経営者の優越を揺るがしかねない改革には、足踏みしています。しかし限界
を踏み越える企業が出てきています。次回は同書の案内でそのいくつかを見ていきます。(続く)
数回行きます。4箇所の駐車場のどこかに停めて小道を歩き回ります。急坂ですからいい運動です。頂上
駐車場脇のコウリンタンポポはかなり息の長い花で、町内の公園など、オホーツク地方ではあちこちで
見かけます。
今日の写真、一枚目はチョウノスケ、次はチゴユリだと思います。この2枚は近所のお宅で撮りまし
た。3,4枚目はオホーツクの森遊歩道で見た花で、オオアマドコロと見当をつけました。でも、花や葉
の形はチゴユリ科のホウチャクソウにも似ていますので、どうでしょう。最後は同じ遊歩道のヤマブキシ
ョウマです。どこにでもある花ですが、緑一色の背景とのコントラストで、抑えた華やかさのような趣を
感じます。
〔新しい文明の姿を考える 〕
(8) 経営管理の新しい試み(前)
ここからは繰り返しの煩を避けるため、『経営の未来』を同書と表現し、修飾語のない著者という語で
同書の著者を指すことにします。
同書は経営管理のイノベーションを促す目的で書かれました。イノベーションは、シュンペーターが導
入した概念で、新製品開発、新生産方式導入、新市場開拓、新原料・新資源開発、新組織形成などを意味
すると考えられています。経営管理―資源(設備・資金・人員など)を分配し、計画を立て、作業を割り振
り、活動を鼓舞する機能―のイノベーションが企業の長期的優位を築く、と著者は考えています。「私は
自発的に自らをつくり変えられる組織、変革のドラマに痛々しいリストラの衝撃が伴わない組織を夢見て
いる。イノベーションの電流があらゆる活動に流れ、反逆者が常に保守主義者に勝利する組織を夢見てい
る。社員の情熱と創造力に本当に値し、社員からそれぞれの最高の力を自然に引き出せる企業を夢見てい
る」(序章) 。単なる夢ではありません。著者は、この方向で破天荒な経営管理を実現して、驚くべき業
績を上げている企業を、いくつも紹介しています。
トヨタの名もあります。著者は、未来型の企業に必要なのは、上が考え下は実行するだけというピラミ
ッド型の官僚組織ではなく、全社員がイノベーションのために情熱的に創意を発揮する組織だと考えてい
ます。トヨタは全社員が参加するQC(品質改良)運動=カイゼンを、半世紀ほど前(1964年)から実施
しています。これがアメリカの同業者を尻目に、同社を世界一の自動車メーカーに押し上げる原動力にな
りました。カイゼンの効果に注目したのは同書だけではありません。日本でも世界でもトヨタ方式を後追
いする企業がたくさん出てきました。
その上トヨタは、1989年に課長や係長など中間管理職を全廃しました。意思決定の迅速化や柔軟化
をもたらしたフラット化です。さらに07年になって、フラット化に伴う欠点、職場のまとまりや後輩へ
の知識・技術伝達の不足を改めるべく、小集団制を導入しています。幹部のイノベーションへの熱意、そ
れがこの会社の強みです。著者は前回の引用で、「イノベーションの炎を燃え立たせる」と「極端に低い
人件費(に生き残りをかける―引用者)」を、二者択一としています。しかしトヨタは二股をかけていたよ
うです。
昨年名古屋地裁の、トヨタの工場でカイゼンのために長時間働いていた従業員の死を不払い残業による
過労死と認定する、判決が確定しました。長い間トヨタは、自主活動という名目で、QC運動のための残
業を月2時間しか認めませんでした。裁判の結果を受け、ようやく今年の6月からカイゼンを業務と認
め、残業の上限が撤廃されます。この会社は法規制緩和以後、契約社員や派遣社員を大量に雇用していま
す。人事評価の対象になっていたカイゼンについても、事実上の強制を負担に感じ、参加を嫌がる傾向が
従業員のなかに見られるようになっているようです。「極端に低い人件費」による効率を求めれば、一人
ひとりの能力の限界まで創意工夫を引き出すことはできません。
全社をあげてイノベーションにまい進するには、経営管理の骨組みを根本的なところから変える工夫が
必要です。利潤を超える業務目的の共有(この点は後に詳説)、仲間による業績評価や資源分配権限の現場
への移譲、仲間が互いに維持するコミュニティー型の規律、処遇の透明性、トップと末端の所得格差の縮
小、創意工夫の意欲を高める有給のゆとり時間などです。トヨタは、カイゼン、中間管理職廃止、小集団
化は実施しても、地位による経営者の優越を揺るがしかねない改革には、足踏みしています。しかし限界
を踏み越える企業が出てきています。次回は同書の案内でそのいくつかを見ていきます。(続く)