呼人半島森のなか

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  nam**i214さん、駒止・桧枝岐の写真楽しませてもらいました。花の種類が多いですね。若いころ尾瀬

外縁の至仏、景鶴、駒や南会津田代山などを何度も歩き回ったときは、登ることだけ考えていて小さな

花などあまり注意していませんでした。もったいなかったなー。あなたの写真、構図がきちんとしていま

すね。わたしのはただシャッターを押しただけっていう感じ。

 知床リップさん、ハーブがお好きなんですね。ウチの庭にはレモンパーム、カモミール、ハッカなんか

が生えてきます。カモミールは香りのない種ですけど。3つとも茂りすぎてずいぶんむしってしまいまし

た。埼玉ではバジルを栽培したこともあります。これもすぐ増えました。ハーブって繁殖力が旺盛なので

しょうか。

 仁頃山でタケノコを採ったんですって。うらやましい。実は山菜で一番好きなのが根曲がりだけのタケ

ノコです。子どものころ住んでいた山村にとてもたくさんあって、採りほうだぃでした。安達太良山で採

ったのは親指と人差し指で囲みきれないほどの太さで、皮のまま炭火で焼いたりてんぷらにしたりする

と、甘みが強くて絶品でした。こちらに来てからも探しているのですが、見つけたことがありません。


 今日の写真は5月8日の呼人遊歩道で撮ったものです。


 〔新しい文明の姿を考える 〕

(7) 官僚型経営の成功と経済の新しい段階
 
 大企業に多く見られる近代的に純化された管理組織の特徴をあらためて概観してみます。利潤という目

的のために、最終的には株主総会または取締役会で承認された最高責任者(CEO)によって、社員の個人

活動が最終的に統合されています。業務と権限は分割され、それぞれの階層および部門の業務と権限の範

囲が明確で、各人がその範囲内で最高の能力を発揮すべく、報酬と罰則が規定されています。学歴、資

格、経験、能力、実績を基準に、CEO以外は上役によって地位と職務が割り当てられ、変更されます。

『経営の未来』(前掲 P.46)に、「作業の構成を変えればもっと効率的に遂行できるというとき、それ

を怠って人間の労働を無駄にするのは悪である」という、科学的管理法の父と称されるフレデリック・テ

イラーの信念が紹介されています。

 近代経営管理は、動力機械というツールを駆使して、大規模組織のなかで効率が最大限になるように労

働を編成・統合する合理的な技法でした。経営管理者はいまも、工場の効率、事務の効率、調達・物流・

在庫調整・顧客対応など各事業の効率を、ライバル企業より少しでも向上させようと、懸命に努力してい

ます。確立された合理的な事業管理技法とそれをもっと向上させようとする努力によって、生活必需品の

他に膨大な余剰が社会に蓄積されました。この蓄積が効率的な生産機械の開発・更新に使われて、さらに

余剰が大きくなります。いまや必需品の消費と供給以外の人間活動の広い分野で、大きな需要が生まれそ

れに応える産業が隆盛しています。その結果、産業を代表するツールの座が、動力機械から情報・サービ

ス機器に交代しつつあります。産業化社会から情報化社会への転換です。

 需要変転の高速化と利潤以外の目的の浮上は、産業化社会と情報化社会の顕著な違いです。新旧の社会

における企業経営管理で共通なのは、利潤あるいは新しい目的のために、「個人からより多くのものを引

き出し」、「人間が協力することで単独では達成できないことを達成できるように個人の努力を結集させ

る」(『経営の未来』前掲 P.323・4)ことです。そのために、産業化社会で確立された事業管理の原則の

多くは、これからも貴重な財産として活用されるでしょう。しかし情報化社会のスピードと新しい目的に

対応する上で、障害になっている要素があります。事業の効率化は進んでいるのに、人の動機と情熱を引

き出し、地位、業務、権限を分配して、人を組織する経営管理の技法が、ここ何十年もほとんど変化して

いないことです。伝統的な経営管理技法を、情報化社会の求める人間の能力を十分に引き出すための障害

と感じるようになった人々がいます。『経営の未来』の著者たちもそうです。


  参入障壁の崩壊、超効率的な競争相手、顧客の力―これらの要因がこれから先利幅を圧縮していくだ

 ろう。この過酷な新世界では、あらゆる会社が厳しい選択を迫られることになる。イノベーションの炎 
 を燃え立たせるか、それとも極端に低い人件費(中国の囚人労働であれ、何であれ)だけが生き残るか倒

 産するかを分かつ要因となる世界で、ぎりぎりやっていく覚悟をするか、という選択である。

  この点を考えると、イノベーションをすべての社員の業務にしている企業がほとんどないのは驚くべ

 きことだ。大方の企業で、イノベーションは依然として組織の片隅に追いやられている。依然として新

 製品開発部門や研究開発部門のような専門部署の責任とされ、創造的な人種が「事業を運営」しなけれ

 ばならない人びとの邪魔にならないよう、そこに隔離されているのである。(P.61)


 いまや人の労働における筋肉の役割はこれまでとは比較にならないほど小さくなり、それに代わって頭

脳労働の重要性が増しています。奴隷に石を曳かせるには鞭が、財産のない労働者に動力機械を操作させ

るには賃金が有効です。しかし多種多様に広がり高速で変化する需要に、すばやく的確に対応すべく従業

員の創意工夫を引き出すには、鞭は無効です。賃金だけでも不十分です。従業員に最高の創造性を発揮さ

せるには、上が考え下は実行するだけ、という前提で組み立てられたピラミッド型の官僚組織は適してい

ません。

 最近の日本では「官から民へ」の主張が異論を許されない大義のように流行し、与党も野党も口をそろ

えて行政制度改革を唱えています。確かに、グローバルな激しい競争にさらされている民間企業のほう

が、官僚機構の近代的純化で先に行き、効率がよくなっています。親方日の丸の政府官僚機構のほうによ

り多く、権威主義、縁故による引き、派閥的セクショナリズムなどの前近代的遺風が残っていて、効率化

の妨げになっています。もっとも、たいていの民間組織でも欧米に比べれば純化が中途半端です。合理的

能力主義の徹底がもっと必要です。しかしすでに、情報化社会の構造に敏感な人々のあいだでは、純化

された近代官僚組織さえも時代遅れと意識されています。合理的な官僚型経営の確立とそこからの脱却と

いう二重の課題に、わたしたちはいま急迫されています。日本の言論、政治、経済の指導者たちは、前段

の課題は熱心に論じます。しかし後段の課題が言及されることはほとんどありません。(続く)