春の海

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 風のない春の日に、暖かな陽射しを浴びてさざなみ立つ海を眺めていると、豊かな気持ちになります。

能取岬はオホーツク海に突き出していて、深いブルーの南と少し暗い北の両方の海原が見渡せます。西は

堤防の開口部で能取湖につながっています。もうワシはいませんが、笹薮ではひばり、磯ではカモメが囀

り、上空にはトンビが舞っています。


 またまた「日経サイエンス」でおもしろい記事を読みました。未来を予測する証券市場の話です(6月

号、G.ステックス「大統領選を占う予測市場」)。1988年にアイオワ大学が実験経済学の一分野と

して開設し、アメリカやアイルランドに広がった市場です。例えば2004年の米大統領選挙で1年ほど

前から、民主党のケリー候補とブッシュ候補の証券が売り出されます。開票後のブッシュへの投票率が5

3%であれば、0.53ドル支払われます。0.5ドルで彼の証券を購入していた人の利得は0.03ド

ルになります。証券の価格変動が選挙結果一致する割合が世論調査よりずっと大きいのだとか。

 市場価格を自分の予測する得票率と比べ、低いと判断すれば買いで、高ければ売りです。買いが集まる

方が価格が上昇します。自分が二人のどちらを支持するかではなく、結果に対する人々の客観的な判断の

集合で価格が変動することになります。優れた専門家が個人で下す予測よりも、公平なサンプリングにも

とづく世論調査よりも、誰でも参加できて当たれば儲かる市場の方が未来を正しく予測する確率が大き

い。この結論はおおむね承認されているようですが、なぜそうなるのかを説明する有力な理論は存在して

いないとか。

 未来予測の一手段として、選挙以外にも使われているそうです。例えば、インフルエンザの流行を予測

する市場が立ち上げられて、既存の疾病監視システムを補完する手段になっている、などです。専門家依

存を見直して、ヒトの集合知を評価することにつながるのでしょうか。