サンゴソウ07年 1

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 今年9月18日に撮った卯原内のサンゴソウです。去年も紹介しました。正式な名前はアッケシソウ

能取湖サロマ湖のあちこちで湖岸の浅瀬を緋色に染めます。広がり方や時期にばらつきがあって、知る

限りでは卯原内のものが最も規模が大きいようです。ここは9月中に盛りを過ぎました。サロマ湖畔のワ

ッカ原生花園ネーチャーセンター裏でも年々面積が広がっていて、10月中ごろまで色彩を楽しむことが

できたと、タウン紙が報じていました。

 
 MLBの全試合が終わり時間ができたので、ハードディスクのドラマや映画の滞貨一掃に取り組んでい

ます。昨日は懐旧の念を掻き立てる作品を見ました。“Pride and Prejudice”(邦題は「高慢と偏見」)

がタイトルです。この映画はわたしの愛読書である同名の小説が原作。受験浪人だった18歳のとき、三

省堂の古書部で出会い、200円で購入し、以後ずっと本棚の片隅にあります。筋のわかっている小説を

読み返すのが嫌いなわたしの、唯一の例外です。

 映画は18世紀イギリスの風景や建物がリアルでとてもよかった。でも、見ている間に原作の文章がた

まらなく懐かしくなり、本棚を開きました。ここ2、3年は手にしていませんでしたが、たちまち引き込

まれ、今朝も2時から読み続けました。岩波文庫から邦訳が出ていて、二十歳すぎに目を通したことがあ

ります。そのとき感じた味気なさはいまも記憶に鮮やかです。作者ジェーン・オースティンのウイットの

利いた英語は、翻訳したら台無しですね。

 彼女は18世紀末から19世紀はじめの田舎の中流社会を生きて、時代や国家的出来事にはまったく興

味を示さず、彼女の狭い生活圏に入ってくる人々だけを素材に創作しています。偽善を嫌い誠実と繊細さ

をだいじにする視点から、自分を含む理解の届く範囲の人物の振る舞いと心理を鋭利に観察し、小説に仕

立てました。そのために、辛らつではありながら冷たくはない人間描写が、時代を超えていまも読者を楽

しませる力をもつのでしょう。特にイギリスでは国民的支持が衰えることがないようで、彼女の作品は何

度も映画化されています。わたしが見たのは一昨年の新作でした。