網走湖の氷は融けた 温暖化ー番外編

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 第一部
 今日は暖かかったので網走へ海を見に行きました。網走湖の裏を通る道を選んだら、パーキングに地元野菜を売る店があって、太い大根が60円、はつか大根がたくさんはいって100円、山芋も一本100円で、この三点を買いました。湖面がきらきら光ってきれいだったけど、写真では光がうまく出ません。たくさん水鳥がうんかでいて、空にはとんびやカラスが遊んでいて、木々の間ではひばり(と思う)がさえずっていました。鳥たちはどうもうまく写りません。腕も悪いけどカメラも悪い。望遠レンズとデジタル一眼レフがあればちょっとはましなんだけど。

 第二部
   気候は複雑系である。100年後の気象予測は100年後の火星軌道の予測よりずっと不確実だ。シミュレーションはどの程度信頼できるのだろう。20年前よりずっと格子が密になったことも、専門家たちの努力のおかげでモデルが進歩していることも、否定はできない。しかし気候変動にかかわる要因で、入力されていないものもあるのではないだろうか。太陽活動の変動は?地球の自転軸の傾きの変化は?ほかに、数値化して入力できるほどにはメカニズムが解明されていない要素があるかもしれない。
 地球史の過去には、スノーボール・アース(全球凍結)の時期も、現在より15度気温の高い時期(ジュラ紀)もあった。超大陸の成立と分裂のときには気候が荒々しく変動した。長期的には気温は激しく上下している。原因としては、いまのところでは、地軸の傾きの変化やプレート・テクトニクスなどが指摘されている。
過去50万年ほどは、10万年程度の氷期と約1万年の間氷期が繰り返されてきた。今はすでに温暖な気候が始まってから1万年2千年が過ぎていて、いつ氷期に入ってもおかしくないという。これから100年の間に、温暖化対策より寒冷化対策が必要にならないとも限らない。あるいは人為的な温暖化が氷期の再来を防いでいる可能性はないのだろうか。
わたしたちの祖先が氷期を生き延びられたのは、世界人口が500万人程度で、狩漁採取に適した土地へ自由に移動できたからだ。今の人口は64億人で50年後には90億人。狩漁採取で養うことは不可能である。農耕牧畜に適した気候と土壌は限られている。およそ人が生きられる場所にはどこにでも人がいる。もう適切な環境を求めて自由に移動することはできない。温暖化であれ寒冷化であれ、わずかな気候変動がヒト文明には致命的だ。
今後文明が長期的に生き延びるためには、人為的に気候に干渉するしかない。わたしたちはすでに、意図しないまま干渉している。大規模な農耕牧畜もそうだが、産業革命以後の温室効果ガス排出増加は桁違いに影響が大きい。気候は複雑系だから、変化の軌道は安定していない。小さな入力が大きな結果を生むこともある。盲目の干渉はあまりにも危険だ。格段に進歩したとはいえ、現在のシミュレーションの結果にも不確定な部分がたくさんあるだろう。温暖化対策は、不確定な未来のためのリスク管理なのだ。
リスク対策に支出されるコストは、リスクの大きさとリスクの確率で決定されなければならない。温暖化予想に不確定性が含まれていても、予測されるリスクがとても大きいから、コストを理由に対策を怠ることは許されない。温暖化対策は、地球規模で行われるはじめての意識的な気候へのヒトによる干渉である。成功すれば、予測の精度を上げるための科学者の努力、不確定な未来に備えるコストの理解を深める方法、対策に広く合意を確立する手法、すべてヒトが生き延びるための財産になる。