ウチの花 無と真空

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 ホロリさんは関東でしたっけ。ここ道東ではまだここそこに雪が残り、ようやく春めいてきた、と

いうところです。ウチのサンルームではイチゴが一株だけ花をつけ、庭ではカタクリが一輪蕾を膨らま

せ、チューリップが芽を伸ばしています。


 ゆめラジさん、エロスはだいじですよね。実体験の貧弱なわたしは、主に文字の世界を手がかりに推測

するしかありませんけど。宮台真司がある講演で、障害者や高齢者をセックス弱者と呼んで、その対策が

必要だと語っていました。実際にセックス・ボランティアのいる国があるとか。もっとも、実は現実より

想像のほうが豊か、ってこともあるかな。


〔無と真空〕

 ここ2・3日ちょっとカゼ気味で、床の中の、眠るでも目覚めるでもないあいまいな時間が、少し長く

なっています。そんなとき夢と現の境目で、まとまりのない、妄想と思索の入り混じったような物思いに

ふけることがあります。ふと、無、虚、空ということばが頭に浮かびました。

 起きてからこれらが英語では何に当たるか和英辞典を調べたら、nothing 、emptiness 、vacancy、

vacuumなどとあります。vacuumは真空です。空気は動けば風として感知できますが、動かなければ見るこ

とも聞くことも掴むこともできません。かつては五感に届くモノがない空間が無であり空であり虚だった

のでしょう。空気の存在がわかってからは、わたしたちは空気もない空間を真空と呼んでいます。

 真空には何もないのだと思っていたら、量子空間ということばが聞かれるようになりました。真空にも

エネルギーがあって、常に粒子と反粒子の対生成と対消滅が起きているというではありませんか。さらに

わたしが読んだひも理論の本の、素粒子より何桁も小さな、時間も空間も消える世界には、何かが激しく

励起したり鎮まったりする荒々しい印象がありました。まったく何もない空虚は、もう観念の領域にしか

場所がありません。

 ところで、量子真空理論の成立には、老子を知る中国人物理学者が貢献したそうです。老子は読んだこ

とがありませんが、虚無思想は、Nothing comes of nothing.の西欧思想より、豊かな内容があったので

しょうか。そもそも近代科学が隆盛する前の時代には、西欧は野蛮で、技術でも文化でも中国が世界の最

先端に位置していた、と読んだことがあります。何がその後の西欧と中国の盛衰を分けたのでしょうね。

ともあれ、思想も国運も変転がやむことなし、とは言えそうです。