光る川 味噌豆

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 3月8日と9日、早春の美幌川で昇る朝日が光る風景です。


 北海道は大豆の産地。半年以上前に一袋1キロ入りを買ったら(300円だったか500円だったか忘

れました)、なかなかなくなりません。ゆでた袋入りだと一回に一袋使います。ゆで豆一袋分は原料のま

までは軽い一握りなんですね。1キロだと何袋になるのでしょう。こちらに来てから調理済みの食品はあ

まり買わず、できるだけ道内産の食材で手作りするようにしています。町内産の豚肉や鶏肉はとても安く

手に入ります。牛肉だけは国産は高いですね。それでもこの間は500グラム700円の道内産が店に出

ていて、牛丼にしました。オージー牛よりはずっとコクがあっておいしかった。

 何回か味噌豆を作りました。ほんとうは鉄火味噌と言いたいんです。煎り豆を油味噌で調理した鉄火味

噌は、少なくとも江戸時代にはあった伝統料理です。詳しいことは知りませんが、煎り豆と味噌と油は欠

かせない素材だったと思います。いまでは、ごぼうを入れたり、その他の野菜を入れたりして、時には大

豆なしでも、鉄火味噌と呼ばれています。伝統に敬意を払えば、大豆なしでこの名前を使うのはどうかと

思いますよ。わたしは歯がが弱りはじめていますので、煎り豆は敬遠して、4時間ほど水につけてやわら

かくした大豆を使います。煎り豆ではないので、遠慮して鉄火味噌ではなく味噌豆と言います。

 まず、水から上げた大豆の水気を払って、油で炒めます。揚げ物に使った油だと香りがついていて、わ

たしは好きです。そこへ、カロリーを減らすため砂糖の代わりにラカンカの粉末を、その後酒、味醂、味

噌を入れ、好みの硬さになるまでとろ火でかき回します。気分しだいでネギや唐辛子を加えることもあり

ます。晩酌の常備菜にいいですよ。


 スローフード国際協会という企業があります。イタリアではじまり、日本にも支部ができています。フ

ァーストフードに押されて、世界から消えつつある伝統料理を見直し、その食材の小生産者を援け、地場

産業振興に力を尽くそうとしています。相当な広がりのようですよ。はじめてこの活動を知ったのは、

『未来を変える80人』(日経BP社)という本でです。深くはないけど、採算性を重視しながら社会貢献を

しようとする世界中のさまざまな活動の一覧としては、便利な資料です。「何をもつかではなく、何をす

るかに関心を向け」「生き方に豊かさを求める」などという表現には、触発されるところがあります。

「所有の豊かさから行動の豊かさへ」と言い換えて、わたしも使わせてもらうつもりです。味噌豆もその

一環になるのかな。