少子化に「家族再生」は的外れ

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 写真は雪の結晶と樹氷に戻ります。今朝6時ごろから雪になり、窓についた雪片はすぐに融けていま

す。どうもいやなことになりそうです。


 皆さんにお聞きします。あなたは、次のAとBのどちらの社会のほうがより強く、子どもを持ってもい

いと思いますか。

A: 「家族はいいものですよ。両親の片方が欠けると子どもはつらいんです。大学までやると、ひとりの

子どもを育てるのに2千万円はかかりますよ。あなたが夫婦仲良く、健全な子どもを育てるように、政府

は支援します、」こんな声がひんぱんに聞こえる社会。

B: 「あなたがシングルでも同棲でも、あなたが子どもを持ち育てのに困らないように、出産でも育児で

も大学の学費でも、社会が責任をもちます。会社は勤務制度で、政府は社会保障で、子育てであなたが仕

事の面で不利にならないようにします、」これが実際に行われている社会。

 日本では、テレビからも新聞からも政府からも、Aのようなメッセージがわたしたちにひんぱんに届き

ます。そして、合成特殊出産率(一人の女性が生涯に産む子どもの数の平均)が1.25(05年)になりま

した。

 フィンランドは、Bのような社会を実現してから、合成特殊出産率が1.80に回復しました。同国で

は、15歳から64歳の女性のうち、就労している人の割合は72.1%で、ほぼ男性と同じです。その

平均収入は男性の80.4%。日本では女性の就業率が52.6%(男性は76.6%)、収入が男性の半

分です。フィンランドの高校進学率は女性のほうが高く、高等教育受講率は女性が94%で男性より2

0%以上高くなります。日本女性の高等教育受講率は45%で、韓国の61%より低くなっています。そ

の代わりフィンランドでは、子どものいる全世帯のうちで、同棲カップルと片親の世帯が38%を超えま

した。96年に結婚した夫婦の半分が離婚すると予測されています。

 さてあなたは、AとBのどちらの社会のほうが子どもをもちたいと思いますか。もし出産可能な女性と

その相手の男性で、Bを取る人が多いとすれば、日本の指導者に人気のある「家族再生」のかけ声は、少

子化対策として無意味だということになります。

 明日はこのことと関連して、わたしが一人しか子どもを持たなかった個人的な事情を話したいと思って

います。